アナリストらがETHユーザーに対しマージ当日は取引避けるよう助言、多数のリスクを指摘
イーサリアム(ETH )のマージが近付く中、このイベントによって生じる可能性があるリスクがますます議論されている。暗号資産(仮想通貨)調査会社のコインメトリクスは、明白な危険性の1つとしてDeFi(分散型金融)プロトコルにおける価格のかい離を指摘し、ユーザーに対しマージ当日は取引を完全に控えるよう助言している。
「マッピング・アウト・ザ・マージ」という新たなレポートの中で、コインメトリクスは、マージ全体はイーサリアムに利益をもたらすが「この規模のネットワーク移行では多くの問題が生じる可能性がある」と強調した。
一例として、イーサリアムの新たなビーコンチェーンで20年からバリデーター・ノードを動かしている同社は、ゴエリ・テストネット上で行われた模擬マージが自社のノードで2度発生したと述べた。「これが実際のマージならば、稼働時間に悪影響を及ぼした可能性がある」という。
ゴエリ・テストネットのマージは、9月10-20日のどこかで行われると予想されている実際のマージ前の最終試験として22年8月に実施された。
コインメトリクスはレポートの中で、「イーサリアムの稼働時間を損なわせる可能性がある要因の範囲」を考慮すると、ユーザーはマージ当日のイーサリアム・ネットワーク上での取引を完全に控えるべきだと推奨した。
うまくいかない可能性がある事柄のうち、同レポートは「リオルグ」として知られるチェーン上のブロック順序の変更に言及した。これが生じた場合、「メモプールに大量のトランザクションが戻され、動けなくなる可能性がある」とアナリストらは警告し、これにより「ネットワークに大きな混乱」が生じる恐れがあると付け加えた。
さらに、旧PoW(プルーフ・オブ・ワーク)チェーンから新PoS(プルーフ・オブ・ステーク)チェーンへの移行中の遅延に関するリスクにも、ユーザーは注意しなければならない。アナリストらは、これによってDeFiプロトコル、DEX(分散型取引所)、そしてオンチェーンの貸付市場における価格のかい離が生じる可能性があると説明した。
「これらはMEV(最大抽出可能価値)において有利な支払をもたらすかもしれないが、一般ユーザーに悪影響をもたらす可能性もある」と同レポートは指摘し、ブロック内の取引の並び替え、挿入、検閲によってバリデーターがユーザーから引き出せる価値について言及した。
コインメトリクスは結論として、こうしたすべてのリスクにもかかわらずマージはイーサリアムにとって新たな節目であり、この最も人気のあるスマートコントラクト・ネットワークに「多数の新たな素晴らしいスケーラビリティ・ソリューション」をもたらす可能性があると述べた。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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