高級ブランドのエルメス、NFT商品について商標登録を提出

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●NFT分野参入か

高級服飾ブランドのエルメスは8月26日、NFT(非代替性トークン)などについての商標登録を米国特許商標庁(USPTO)に出願した。商標ライセンスを専門とするマイケル・コンドゥディス弁護士が明らかにした。

出願書類には「バーチャルグッズや収集品、暗号資産(仮想通貨)、NFTを取引・閲覧・保管できる、ダウンロード可能なソフトウェア」「デジタル収集品やNFTをオンラインの仮想世界で使えるようにする、ダウンロード可能なコンピューターゲームソフトウェア」が記されている。

その他に、NFT関連サービスなどについても商標申請を行った。

まず、「バーチャルグッズを取り扱う小売店舗」があり、ここでは「商業や広告目的のために、トレードショーやファッションショー、各種展示などをオンラインのバーチャルリアリティ環境などで開催」することや「デジタル収集品やNFTを売買するマーケットプレイスを提供」することが念頭に置かれている。

さらに、「デジタル収集品やNFTと関連して使うために仮想通貨を提供する金融サービス」についても商標申請を行った。NFTに関する金融情報や分析、資金調達やスポンサーシップなどの機能にも言及している。ブロックチェーンによるユーザー認証についても出願した。

こうした出願内容のうち、どの程度を実際に商品としてリリースすることを検討しているかは不明であるが、将来的なNFT分野への参入を示唆する内容となっている。

●ティファニーやグッチの事例

最近NFTを発売した高級ブランドとしては、ティファニーの事例がある。

ジュエリーメーカーのティファニーは8月に、同社初となるNFTコレクション「NFTiffs」をリリース。発売開始から数十分で250セットすべてが完売した。価格は配送料込みで30ETHであり、販売時のイーサリアム(ETH)価格は約20万円であったため、ティファニーは約15億円を売り上げたことになる。

この「NFTiffs」は、人気NFTコレクション「CryptoPunks」をモチーフにしたもので、NFTと物理的なペンダントがセットで購入者に届けられる。物理的なペンダントについては、元になるNFTに最も類似した宝石やエナメルカラーが選択され、1個につき、サファイア、アメジストなど30個以上の宝石が使用されるものだ。

また、高級ファッションブランドのグッチは5月より、米国の一部店舗で、ビットコイン(BTC)やイーサリアムを始めとする仮想通貨による決済を導入している。8月からは、NFT関連銘エイプコイン(APE)も追加した。

APEは、猿をモチーフにしたNFTシリーズ「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」のエコシステムで使用できる仮想通貨である。

――NFTに関する訴訟も

エルメスは1月、エルメスの代表的なバッグ「バーキン」を基にしたNFTを作成したクリエイターに対して米ニューヨーク州の地方裁判所で提訴していた。

デジタル・クリエイターのメイソン・ロスチャイルド氏が「メタバーキン」という名前のNFTコレクションを販売したことを商標権の侵害であるとして問題視するものだ。

裁判は今も進行中であるが、これまで裁判所がほとんど取り扱ったことのない事例であるため、その行方が注目されている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://coinpost.jp/?p=383904

CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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