国際決済銀行、イスラエル等とCBDCの共同検討プロジェクト開始

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●CBDC相互接続をテスト

国際決済銀行(BIS)は28日、イスラエル中央銀行、ノルウェー銀行、スウェーデン国立銀行と、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の共同検討を開始することを発表した。

共同検討は「プロジェクト・アイスブレーカー」と呼称され、BISのイノベーションハブ北欧センターが参加し、国際リテール決済や送金にCBDCがどのように利用できるかが検証される。

既存のシステムよりも、大幅に低コストでクロスボーダー決済ができる仕組みになっており、異なる国のCBDCシステムを相互接続するための技術の実現可能性などがテストされる。

同プロジェクトは、参加する中央銀行が国内のCBDCシステムの概念実証に接続するための「ハブ」を開発することが、目的として設定されている。検証は2022年末まで実施され、2023年第1四半期(1-3月)に最終報告書が提出される予定だ。

BISのイノベーションハブ北欧センターの、Beju Shahヘッドは、「プロジェクト・アイスブレーカー」について、以下のようにコメントした。

"この実験では、技術、アーキテクチャ、デザインの取捨選択をより深く掘り下げ、関連する政策的な課題を検証する。これらの知見は、国境を越えた決済のためにCBDCの導入を検討している中央銀行にとって非常に貴重なものとなるだろう。"

●以前から試験

BISは以前からCBDCの実証試験を行っており、21年9月に国境間決済プラットフォームプロジェクト「Dunbar」を開始した。

同行のシンガポール部門が主導し、イノベーション・ハブ、オーストラリア準備銀行、マレーシア中央銀行、シンガポール金融管理局(MAS)と南アフリカ準備銀行の5行が参加。異なる分散型台帳技術を利用したCBDC間の相互利用、および国境間決済を検証し、仲介機関を介さずとも直接取引が可能なCBDCシステムを目指す計画。

また、CBDC関連のレポートも公開しており、22年5月には、調査に回答した世界の中央銀行(81行)のうち、約90%がCBDCについての研究を行っていたと説明。パイロットテスト(試験運用)している中央銀行は26%に達していたと報告した。

――参加した3カ国は独自の検証試験も実施

今回「プロジェクト・アイスブレーカー」に参加した、イスラエル中央銀行、ノルウェー銀行、スウェーデン国立銀行も、それぞれが独自でCBDCの検証を行っていることで知られる。

イスラエルは21年6月に、イーサリアム(ETH)のブロックチェーンを使用してCBDC実験を行ったことが報じられた。ノルウェーの場合は、2017年から検証を始めており、22年9月9日には、CBDCサンドボックスの、オープンソースコードをソフトウェア開発プラットフォーム「github」上で公開。

スウェーデンは、2020年にCBDC「e-krona」(e-クローナ)の実証試験を始めており、同年には必要性や導入プランを詳細に検討するレポートを公開した。なお、米メディアのブルームバーグは、21年6月に、5年以内に「e-krona」が発行される可能性があると報道している。

(イメージ写真提供:123RF)

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CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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