SEC、暗号資産価格操縦スキームで2社を提訴

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 SEC(米証券取引委員会)が、17年から19年にかけて「ディグニティ(DIG)」というトークンを通じて3680万ドル相当の価格操縦詐欺を行ったとして、すでに消滅した暗号資産(仮想通貨)企業2社と両社の幹部を提訴した。

 このSECによる提訴は、バミューダのアービトラージ社とカナダのクリプトボンティクス社、そして両社の創業者であるトロイ・R.J・ホッグ氏、ジェームズ・L・ゴールドバーグ氏、スティーブン・L・ブレイバーマン氏に関するものだ。また、この提訴では、国際的な金トレーダーでSIONトレーディングFZEの創業者であるマックス・W・バーバー氏も救済被告とされた。

 この事件の詳細によると、被告らはアービトラージ社が100億ドルの金塊の権利を取得したという嘘の発表を行った。この発表では、金塊の購入は会計事務所の監査を受け、その存在が確認されたとしていた。

 両社はこれらの発表で、主に米国民の投資家を誘い出した。彼らは、各DIGトークンが1ドル相当の金で裏付けられていると見せかけ、3680万ドル超に相当するDIGトークンを高値で売りつけた。

 SECはこれまでに、このイーサリアム(ETH)ベースのDIGトークンはロシア人開発者によって作成され、投資家を騙すためだけに利用されたことを明らかにした。調査は、チェドリー・C・デュモーネイ氏、フェルナンド・トーレス氏、グレン・S・ゴードン氏の監督下でマイアミ地域事務所のデビッド・スタウビッツ氏とクリスタル・アイボリー氏が行った。

 このSECによる訴訟は、テレサ・ベルジュ氏の監督下でアリス・サム氏が主導し、被告らは33年証券法及び34年証券取引所法違反で提訴された。

 「このSECの訴状では、連邦証券法の詐欺防止及び証券登録条項違反で被告を提訴している」という。

 SECは、詐欺で得たすべての利益の返還と民事上の罰金を求めている。同委員会はまた、この4名の男性に対する役員・取締役行為禁止も求めている。

●SECはICO時代の暗号資産詐欺への追及の手を緩めない

 この事件は、17年から18年にかけてのICO(イニシャル・コイン・オファリング)時代に行われた暗号資産関連犯罪に対してSECが行った最新の摘発に過ぎない。証券規制当局であるSECは最近、投資家から3000万ドル超をだまし取ったスパークスター(SPRK)のICOについて、有名な暗号資産インフルエンサーのイアン・バリーナ氏も提訴し和解している。

 ワシントン・ポストの報道によると、SECはこの時代の暗号資産プロジェクトの大部分を証券と考えており、それらに必要な規制を適用している。この報道では、SECが暗号資産規制当局のトップとしての地位を固めようとしているとも指摘された。暗号資産業界の多くは、この見通しを喜んでいない。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/two-firms-charged-by-us-sec-for-crypto-pump-dump-scheme.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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