ブラジルの裁判所、銀行に債務者の暗号資産ウォレットを調査する権限を付与

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 ブラジルの裁判所が、大手商業銀行に、債務者の暗号資産(仮想通貨)ウォレットの調査を許可する判決を出し、暗号資産には「貨幣的特性」があると述べた。

 報道機関のConsultor Jurídicoによると、サンパウロ州司法裁判所(現地ではTJ-SPと呼ばれる)のある部門が、ブラジル最大で最も活動的な銀行の1つであるサフラ銀行からの特別な法的要請に許可を出したという。同行は裁判所に対し、清算可能なトークンを保有しているか確認するために債務者の暗号資産ウォレットを調べる許可を求めていた。

 TJ-SPの私法裁判部は、名称非公開の債務者が約28万9000ドル相当の支払いを履行しなかったと聞き取った後、この件を検討するための会合を開いた。

 同行は、最初の法的活動ではTJ-SPを説得できず、当時の裁判長は、「押収可能な品の無差別で不明確な捜索」を許可することは裁判所の責務ではないと発言していた。

 しかし、裁判官らは2度目のヒアリングで、満場一致でサフラ銀行を支持した。セザル・ザラフ裁判長は、「被告が暗号資産を保有していることを示す証拠がない」という事実が、銀行がウォレットの調査を行いたい場合の障害になるべきではないと述べた。

 同裁判長はさらに、ウォレットの調査を許可すれば事実の立証が可能なので、銀行は債務者が暗号資産を保有している証拠を裁判所に提出する必要はないとした。

●暗号資産には「貨幣的」特性があると裁判所が判決

 ザラフ氏は、暗号資産には貨幣的特性があるため、トークンは債務回収関連事件において他の資産に適用されるのと同種の規則に従うべきだと付け加えた。

 ザラフ氏は次のように説明した。

 「暗号資産は支払い手段としての特定の機能を備えた動産であり、貨幣的機能を有している」

 また、同裁判所は、こうした事例では銀行が自費で調査を行う必要があるとの判断を下した。同裁判所は、調査を行うために必要なあらゆるツールやサービスの費用を銀行が支払う必要があると述べた。

 同国の警察は最近、暗号資産詐欺への監視を強化しており、規制当局はこの分野への権限を強化したいと語っている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/brazilian-court-grants-bank-right-inspect-debtors-crypto-wallets.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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