エルサルバドルで1年前に無料配布された30ドル相当のビットコイン、現在の価値は?

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 国が運営するChivoアプリをダウンロードしたユーザーに無料配布されたビットコイン(BTC)を保持するというアドバイスを聞いたエルサルバドル国民は、その判断を後悔しているかもしれない。しかし、遅れてダウンロードしたユーザーには希望があり、思いがけない利益を得ることができるかもしれない。

 エルサルバドル政府は21年6月、国民がトークンを使った経験を積めるよう、国内に住む新規Chivoユーザーに30ドル相当のビットコインを配布すると発表。ビットコインは21年9月に法定通貨として承認された。

 エルサルバドル最大級の新聞社El Diario de Hoyは、ほぼ1年前にChivoのローンチと共に行われた無料配布の相対価値を、22年10月のビットコイン価格で計算した。

 同新聞社の計算によると、平均的な新規Chivoユーザーが21年10月に登録した場合、0.00053BTCを受け取ることができた。しかし、このトークンを現金に変換したり、店で使ったりせずに保持したユーザーには、現在の価格でわずか10.30ドル程度のビットコインしか残っていないことになる。

 しかし、Chivoウォレットをまだ開設していないエルサルバドル国民は、ビットコイン価格が回復するという予想を信じるなら、利益を得ることができるかもしれない。この無料配布キャンペーンは、まだアプリをダウンロードしていないエルサルバドル国民にも適用される。現在、30ドルで約0.0016ドルBTCを購入できるため、ビットコインが回復すれば、後発ユーザーは利益を得ることができるだろう。

 しかし、記事執筆時、エルサルバドル政府にとっての状況はまだ厳しいようだ。不透明性や個人情報の窃盗など、Chivoには問題が尽きない。かつて活発だったアプリのツイッターアカウントはほとんど沈黙し、ビットコインとChivoに対する国民の意欲は21年9月に話題になって以降低下していると報じられている。

●政府はビットコインの購入でどれだけ「損」したのか?

 ナジブ・ブケレ大統領とその政府によるビットコイン購入戦略も批判されている。同新聞社の計算によると、ブケレ大統領はこれまで公的資金を使って購入した2381BTCについて、6050万ドルの損失を被っている。

 ブケレ大統領とその閣僚らは、この問題に対して冷静な態度を示している。同大統領は6月、ツイッターで次のように述べた。

 「ビットコイン価格について心配したり、不安に思ったりしている人がいるようだ。私のアドバイスは、グラフを見るのをやめて人生を楽しむこと。もしビットコインに投資しているのなら、その投資は安全で、その価値は弱気相場の後に驚異的に成長するだろう。大切なのは忍耐だ」

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/how-much-would-el-salvadors-30-btc-giveaway-worth-today.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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