ブラジルのATM2万4000台以上でUSDT利用可能に

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 ステーブルコイン発行企業テザーは、ブラジルの2万4000台以上のATMで人気ステーブルコインのテザー(USDT)を利用可能にし、SmartPayでブラジル国民にUSDTへのアクセスを拡大することを目指すと発表した。

 テザーのCTO(最高技術責任者)であるパオロ・アルドイーノ氏は声明で、「インフレーションと包摂性が欠けている金融システムによって困難や限界が生じ、ブラジル国民の多くが、同国の成長経済に参加することができないでいる」と主張。

 「USDTをブラジルのATMに追加することで、多くの人々に金融システムに参加する機会を提供する。これは、決済業界だけでなく、ブラジルの金融エコシステム全体に大きな変化をもたらすだろう」と述べた。

 SmartPayは、11月3日に同社のATMで同サービスを提供する予定だという。

 声明では、「SmartPayへのアクセスにより、ユーザーはUSDTといったテザートークンなど、希望するユースケースに最適な暗号資産(仮想通貨)を選択することができる。世界中のどこでも、いつでもテザートークンの送金・受取を行い、ブラジルレアルで引き出すことが可能になる」と説明している。

 ブラジルの研究機関「インスティテュート・ロコモティーバ」が21年1月に実施した研究で、ブラジルには銀行口座を持たない成人が3400万人もいると指摘されているのは注目に値する。

 SmartPayのCEO(最高経営責任者)ロセロ・ロペス氏は、「USDTを『PiX』と呼ばれるブラジルの決済システムに導入した後、ブラジル最大のATM企業であるTecBanと統合した。以前は、PiXを使って支払える場所では、USDTで支払うことができると説明していたが、今はBanco24HorasがあればUSDTをブラジルレアルに変換することができる」とコメントしている。

 テザーによると、同社のステーブルコインは「現在ブラジルで最も利用されている暗号資産の1つである。最新のデータでは、取引された価値に関して、USDTは同国で最も利用されているトークンの1つである。8月には7万9836件の取引で14億ドル以上がUSDTを使って取引され、取引1件当たりの平均金額は約1万8000ドルだった」という。

 今回の展開に先立ち、テザーはコマーシャルペーパーの保有額を排除し、より流動性が高く安全な米国財務省証券に置き換える動きを見せていた。

 同社の発表によると、準備金からコマーシャルペーパーを排除し、米国債に置き換えるという決定は、広く使われているステーブルコインのユーザー間で透明性と信頼性を高めるための活動の一環であるということだ。

 同社は発表の中で、「コマーシャルペーパーをゼロにすることは、市場で最も安全な準備金でトークンを裏付けするというテザーのコミットメントを示すものだ。これは、テザーだけでなく、ステーブルコイン業界全体の透明性と信頼性を高めるための一歩である」と述べた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/tether-usdt-available-over-24000-atms-brazil.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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