フィリピンのユニオン銀行が暗号資産取引サービス開始、対象コインは？
デジタル資産管理技術ＭＥＴＡＣＯは、フィリピンのユニオン銀行が同社のプラットフォームＨａｒｍｏｎｉｚｅで、一部の個人顧客を対象に暗号資産（仮想通貨）カストディおよび取引サービスのパイロットプログラムを開始したと発表した。
このプログラムには、ビットコイン（ＢＴＣ）とイーサリアム（ＥＴＨ）が含まれる予定。
プレスリリースによると、ユニオン銀行がこのパイロットプログラムを始動することは、同行の「ブロックチェーン技術の探求における大きな前進」であり、送金決済用のステーブルコインの発行やメタバース分野への参入など、これまでのデジタル資産計画に続くものであるという。
ユニオン銀行の最高技術・業務責任者兼最高変革責任者であるヘンリー・アグダ氏は、次のように語った。
「ユニオン銀行が一連の業界初を継続することを誇りに思っている。今回、規制を受けた銀行としては初めて、デジタル通貨取引機能を顧客に提供することとなった」
ユニオン銀行は、デジタル資産カストディプラットフォームのＨａｒｍｏｎｉｚｅを「基盤となるオーケストレーション・プラットフォーム」および「クラウドにデプロイされた完全管理型サービス」として活用することで、パイロットプログラムのガバナンスと運用を管理していく。一方で同行は、デジタル資産サービスの「より広範囲な展開」に向けて準備を進めているという。
ＭＥＴＡＣＯの最高事業成長責任者のシーマス・ドノヒュー氏は、次のように述べた。
「Ｈａｒｍｏｎｉｚｅは、暗号資産カストディ、投資、取引から、フィリピンで急成長するメタバース経済まで、さまざまな個人および機関向けのデジタル資産ユースケースを安全に探究するための選択性をユニオン銀行に提供してくれる」
サービスの拡大計画については、金融規制機関や業界参加者と「緊密に協力している」ということだ。
その目標は、「何百万人ものフィリピン人が、別のウォレットサービスを開設したり、管理したりすることなく、既存のモバイルバンキングアプリからビットコインなどのデジタル通貨を保管・交換できるようにすること」であるとした。
ユニオン銀行は、フィリピン最大のユニバーサルバンクの１つで、ＢＳＰ（フィリピン中央銀行）の監督下で暗号資産ライセンスを取得している。
プレスリリースは、この新技術がフィリピンの金融包摂を拡大するために利用されているとし、次のように続けた。
「フィリピン大統領フェルディナンド・ロムアルデス・マルコス・ジュニア氏は最近、ユニオン銀行の『イノベーションキャンパス』の開館式で、ブロックチェーンとデジタル資産技術の重要性に言及し、フィリピンの金融包摂を促進するための技術の力について語った」
スイスに１５年に設立されたＭＥＴＡＣＯは、デジタル資産エコシステムにおける金融機関や企業に技術を提供しており、スイス、ドイツ、フランス、英国、米国、トルコ、シンガポール、オーストラリア、香港なさまざまな規制地域の銀行で実装を行っている。
●デジタル経済でパイロット実験を行う銀行
暗号資産企業や規制機関と協力し、デジタル資産サービスに関連するさまざまなパイロット実験を行う銀行が増えている。
ＭＡＳ（シンガポール金融管理局）は１日、大規模な資金調達市場における潜在的なＤｅＦｉ（分散型金融）の活用を探求する「プロジェクト・ガーディアン」の下、最初の業界パイロットプログラムで最初の取引を完了したと発表。
この業界パイロットプログラムでは、ＤＢＳ銀行やＪＰモルガン、ＳＢＩデジタルアセットホールディングスが、トークン化されたシンガポール国債、日本国債、日本円、シンガポールドルで構成される流動性プールで外国為替と国債を取引した。
プレスリリースには、次のようにある。
「トークン化された日本円とシンガポールドルの預金を含むクロス通貨取引が成功した。さらに、トークン化された国債の売買を含む模擬作業が実施された」
また、金融分野におけるより幅広いユースケースで、資産のトークン化とＤｅＦｉの応用をテストするため、新たなパイロットプログラムが開始されたという。
（イメージ写真提供：１２３ＲＦ）
This story originally appeared on cryptonews.com.
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