暗号資産管理会社Ikigai、ファンドの「大部分」がFTXに

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 暗号資産(仮想通貨)管理会社のIkigaiは、破たんした暗号資産取引所FTXに資産の「大部分」を保有していたことを認め、破産の前に「ほとんど回収できなかった」ことを明らかにした。しかし、サム・バンクマンフリード氏が率いたかつての巨大企業にエクスポージャーを保有している企業は、決して同社だけではない。

 Ikigaiのトラビス・クリングCEO(最高経営責任者)は、「残念ながら、非常に悪いニュースを伝えなければならない」とツイッターで語った。続けて、Ikigaiが「FTXの崩壊に巻き込まれ、ヘッジファンドの運用資産の大部分」がFTXにあったことを明らかにした。

 伝統的金融業界の元ポートフォリオマネージャーであるクリング氏は、「14日午前に引き出そうとしたと時には、ほとんど回収できなかった。われわれは今、他の皆と同じように行き詰まっている」と述べた。

 クリング氏は10個のツイッタースレッドの中で、7日から投資家と「常に連絡を取っている」と説明。また、この悲劇的な結果に対する全責任を負うとした。

 「完全に私の責任で、他の誰のものでもない。リスク管理を私に託してくれた投資家の資金を失ってしまい、本当に申し訳なく思っている。私は何度も公にFTXを支持してきたが、本当に申し訳ない。間違っていた」と同氏は語った。

 クリング氏は最後に、暗号資産業界が恐ろしく失敗してしまったのは何かについて、自身の見解を述べた。

 「暗号資産が回復し、世界をより良くするためにその旅を続けるのであれば、私は信頼の概念自体が完全に再構築されなければいけないと考えている。ビットコイン(BTC)は信頼できない。そして、私たちはその周りに信頼できるものを構築し、それらは壊滅的に失敗した」

 同氏のツイートに反応し、ビットコイン・暗号資産コミュニティの一部の主要メンバーは、クリング氏と同氏のファンドを応援すると声を上げた。

●エクスポージャーを持つ企業はIkigaiだけではない

 IkigaiはFTXの破たんで比較的大きな損失を被ったファンドの1つかもしれないが、同社だけが影響を受けた暗号資産ファンドではない。他にも、コインシェアーズやマルチコイン・キャピタル、アンバー・グループ、ジェネシス・トレーディングなどの有名企業が、FTXへのエクスポージャーを報告している。

 FTXの崩壊直後、ヨーロッパの暗号資産運用企業コインシェアーズは、「当社は、財務の健全性を確認し、FTX取引所への限定的なエクスポージャーを数字で表す」と声明を発表。

 同様に、大手暗号資産市場メイカーのジェネシス・トレーディングも、FTXへのエクスポージャーを明らかにし、同社のデリバティブ事業が現在ロックされているFTXの資金で1億7500万ドルを保有しているとツイートした。

 続けて、「これが当社のマーケットメイク活動に影響を与えることはない」と主張した。

 暗号資産取引企業アンバー・グループも声明で、「アラメダやFTXトークン(FTT)へのエクスポージャーはない」と表明。しかし、FTX取引所へのエクスポージャーは認め、「まだ処理されていない出金がある」と述べた。

 「個々の取引所に対する厳格なエクスポージャーの制限により、FTXへのエクスポージャーは当社の総取引資金の10%以下に相当する。当社の事業運営や流動性にとって脅威となるものではない」とアンバー・グループは説明している。

 最後に、暗号資産投資ファンドのマルチコイン・キャピタルは、FTXへのエクスポージャーについて公式声明は発表していない。しかし、ザ・ブロックが入手した手紙によると、同社もFTX破たんの影響を受け、マルチコイン・マスター・ファンドのAUM(運用資産総額)の約10%がFTXに残っているという。

 「残念ながら、FTX上のファンドの資産をすべて引き出すことはできなかった。ビットコインやイーサリアム(ETH)、USDコイン(USDC)などの資産は出金が保留されており、ファンドの資産(サイドポケットを除く)の約15.6%とファンドのAUMの約9.7%に当たる」と手紙に記されていたという。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/crypto-asset-management-firm-says-large-majority-of-funds-are-stuck-ftx-who-else-was-affected.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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