イエレン米財務長官、FTX破たん受け暗号資産市場により「効果的な監視」必要と

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 大手暗号資産(仮想通貨)取引所のFTXの崩壊が暗号資産業界全体の弱気ムードを強めている中、ジャネット・イエレン米財務長官が暗号資産業界に対する規制の強化を呼びかけた。

 イエレン氏は声明で、「最近の大手暗号資産取引所の破たんと、暗号資産保有者および投資家にもたらされた不幸な影響は、暗号市場に対するより効果的な監視の必要性を示した」と述べた。

 イエレン氏は、財務省と米規制当局が過去1年間に暗号資産市場のリスクを特定してきたと説明。また、これらの調査結果は米国大統領金融市場ワーキンググループの後援の下で発表された報告書で言及されているという。

 「顧客資産の混同、透明性の欠如、利益相反など、報告書の中で特定されたリスクは、先週観測された暗号資産市場のストレスの中心にあった」とイエレン氏は指摘。同氏は14年から18年に米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)の議長を務めている。

 「私たちの金融商品と市場のほとんどについては、こうしたリスクに対処するための強力な投資家・消費者保護法が制定されている。既存の規定が適用できる場合は、暗号資産市場と暗号資産サービスにも同様の保護法と原則が適用されるよう、厳格に施行されなくてはならない」とイエレン氏は主張した。

 イエレン氏は最後に「金融安定性の観点から、暗号資産市場における事象からの波及は限られている」が、議会を含む政府は、「規制の隙間を埋めるために迅速に行動」する必要があると述べた。

 FTX崩壊の余波で、一部の市場観測筋は暗号資産エコシステム全体に影響が波及するリスクについて懸念を示している。しかし、国際的な金融会社シティのアナリスト、ジョセフ・アユブ氏によると、一部の大手企業が、さらなる市場統合を推し進めるために進行中の市場低迷から利益を得ることができるという希望もあるという。

 アユブ氏は最近のインタビューで、「これは諸刃の剣だと思う。まず、取引量、利益、ボラティリティがこの分野で下がろうとしているという問題は明白であり、これは暗号資産分野で活動している多数の企業にとって大きなマイナスだ」と述べた。

 一方で、進行中の市場低迷は、「2番手のデリバティブとスポット取引所(であるFTX)が連邦破産法第11条を申請する中、他の取引所に市場シェア拡大のチャンスを提供している」とも指摘。

 アユブ氏は結論として、「暗号資産内でこれがどれだけ遠く深く広がるかは不明だ。余波はかなりの期間続く可能性がある」と述べた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/us-treasury-secretary-janet-yellen-says-crypto-markets-need-more-effective-oversight-following-ftx-implosion.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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