ヴィタリック・ブテリン氏、「シンガポールの現在の暗号資産規制は機能していない」と

Singapore_98811441_s.jpg

 イーサリアム(ETH)共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏が、MAS(シンガポール金融管理局)が暗号資産(仮想通貨)に対して取っているアプローチについて、「難しいバランス」であると呼んだ。同氏はMASの方針を一部評価する一方、暗号資産を「奇妙で恐ろしいもの」とみなす世界中の多くの規制当局にならう恐れがあるとも警告している。

 ブテリン氏は地元紙The Strait Timesの取材で、暗号資産規制に対するMASのアプローチについての質問に答え、「シンガポール規制当局が注いできた努力と、多くの異なる活用方法を探求し、支援しようとする彼らの意欲は間違いなく評価できる」と話した。

 同氏によると、「ブロックチェーンの利用と暗号資産を区別しようとする彼らの意欲は興味深い。一方で、技術を支援し、人々のために物事を簡単にしたいが、暗号資産は奇妙で恐ろしいものと感じるという、すべての規制当局が持つ考えのようなものだ」という。

 ブテリン氏は、世界の暗号資産分野を揺るがした最近の一連の動きや事件を受け、規制当局が業界により厳しい規制を課す可能性があることを認めた。

 ブテリン氏は、大きな議論の的となっている崩壊したテラ(LUNA)エコシステムの創設者に言及し、「暗号資産分野についての問題は、バリアンス(分散)が高いということ。ある種の評判を得ることができれば、すべての『ドー・クォン』を偶然に引き付けることは非常に簡単だ」と述べた。

 一部の国で実施されている暗号資産とブロックチェーンを区別する規制方針に関して、ブテリン氏は「現実に暗号資産を保有していない場合、ブロックチェーンはただの偽物で、誰も関心を持たないだろう」との見解を述べた。

 また、大手暗号資産取引所FTX破たんの直後に語ったこの起業家は、ブロックチェーン技術を使って他人の犠牲の上に利益を得ようとする人々を防ぐような規制を導入することが必要だと考えている。

 「私はシンガポールとMASが維持する難しいバランスとその立場を評価する。国が賢くなければ、ドー・クォン族の拠点として行き詰まってしまう。そして、それは必ずしも国が望むことではない」とブテリン氏は論じた。

 「しかし一方で、生産的に関与し、多くの利益を得ることも間違いなく可能であると考えている」と続けた。

 21年9月、ブテリン氏は過去10年間の著作をまとめた「プルーフ・オブ・ステーク」を発表し、22年の暗号資産関連のベストセラーを争っている。この本は物理的な書籍とデジタル書籍の両方で9月27日に販売された。ブテリン氏は、この本の収益全額を、Gitcoin Grantsを通じてオープンソースの公共財の支援に充てると発表している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/vitalik-buterin-singapores-current-crypto-regulation-not-working-heres-why.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ