香港がデジタル人民元試験参加へ準備、「国際的」対象範囲拡大

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 PBoC(中国人民銀行)主導のデジタル人民元プロジェクトの本格展開が近付く中、中国本土と香港が、デジタル人民元初の国際的試験プロジェクトを共同で立ち上げようとしている。

 上海証券報によると、HKMA(香港金融管理局)のハワード・リー副総裁は、香港が「中国本土以外でのデジタル人民元の初の国際的試験エリア」になると述べた。しかしリー氏は、その期間は定めなかった。

 リー氏は、これに先立ち「技術試験」は「第2段階」に入っていると説明した。同氏は、このHKMAによる試験の「範囲と規模」は「拡大」していると語った。同氏はまた、参加する商業銀行が「1行から4行に増加」したと述べた。

●香港でのデジタル人民元の相互運用に向けて

 PBoCはこの試験を、GBA(粤港澳大湾区)として知られる南東部の隣接9都市の経済圏と結び付けたいと考えている。

 この9都市圏には上述の香港も含まれる。正確に言うと、香港は97年から中国の一部となっているが、特別行政区としての地位は保たれており、独自の政治・経済体制と通貨を有している。

 HKMAの金融インフラ及びフィンテック業務を率いるリー氏は次のように述べた。

 「香港はデジタル人民元開発を支援し、GBAの相互接続を推進し続ける。これにより、国際決済サービスの速度と効率が高まるだろう」

 また、リー氏は、「スワップ・リンク」プロジェクトが完成間近だと述べた。これは、中国本土と香港の債券市場を相互接続可能にするもので、今後のデジタル人民元普及で役割を担う可能性がある。

 HKMAとPBoCはさらに、国際決済銀行と共にCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の共同プロジェクトに取り組んでいる。mブリッジというこのイニシアチブは、HKMA、PBoC、そしてタイやUAE(アラブ首長国連邦)の中央銀行が関与する国際決済の試験を模索するものだ。

 このプロジェクトには20行の商業銀行が参加し、9月下旬に完了。計2200万ドル相当の取引が処理された。

 リー氏は、mブリッジは「現在世界最大のCBDC試験」だと主張。「様々なCBDCを使って国際取引を実際に決済した」初めてのプロジェクトだと指摘した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/hong-kong-preparing-to-join-digital-yuan-pilot-extend-cross-border-reach.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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