ハーバード大学の研究論文、制裁回避のためBTCを準備金に追加するよう政府と中央銀行に呼びかけ

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 米国による制裁を受けるリスクのある国の中央銀行は、外貨準備金をビットコイン(BTC)にシフトすることができると、ハーバード大学の新たな研究論文が指摘している。

 この研究論文は、多くの中央銀行、特に米国による制裁リスクが高い国が近年、伝統的な中央銀行の準備資産である金(ゴールド)の保有量を増やしているという事実に基づき、中央銀行がビットコインでリスクを回避することができるという考えを示している。

 論文の筆者によると、金に加えてビットコインへの配分を追加することで、これらの国々の制裁に対する耐性をさらに高めることができるという。これは特に、その国が物理的な金を十分に入手することが困難な場合に有効であると筆者は主張している。

 「制裁リスクのヘッジ:中央銀行準備金における暗号資産(仮想通貨)」と題したこの研究論文の筆者は、ハーバード大学の経済学博士号候補者であるマシュー・フェランティ氏。

 「法定通貨の発行者が取引を凍結できることは、事実上の債務不履行の一種であり、法定通貨の『安全資産』としての地位に疑問を投げかける」とフェランティ氏は論じている。

●ウクライナ戦争で中央銀行がビットコインに関心を持つ可能性

 フェランティ氏は論文で、この疑問がかつてないほど重要になっている理由の例として、ウクライナ侵攻を受けロシア中央銀行の外貨準備資産が凍結されたことに言及している。

 「金融制裁リスクが中央銀行の準備金の構成をどのように、どの程度変化させる動機となるのかという問題を探るタイミングは今だ」とした。

●PoWは検閲耐性を持つ

 フェランティ氏は論文の中で、PoW(プルーフオブワーク)のデジタル資産であるビットコインは、制裁ヘッジとして有用であるとも指摘している。

 同氏は、「PoW方式では、ブロックチェーン上の取引を検閲するためには、『過半数のハッシュパワー』が必要だ。つまり検閲者は、すべてのマイナーが使用する計算能力の少なくとも51%を支配しなければならない」と説明。

 続けて、「ビットインマイニングには膨大な計算能力と、マイニングチップを動かすための電力量が必要」であり、このような状況を達成することは実現不可能であるとフェランティ氏は述べている。

 フェランティ氏は結論として、制裁がある中で「完全に安全」な資産はないとした上で、ビットコインなどの暗号資産は「ある程度の保護」を提供することができるが、その保護には高いボラティリティ(変動率)が伴うことを認めた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/harvard-research-paper-urges-governments-central-banks-add-bitcoin-reserves-hedge-sanction-risk.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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