米決済大手Visa、デジタルウォレットの自動支払いを提案

visa_35312504_s.jpg

●ウォレットからの定期支払いを可能に

米決済大手Visaは20日、ブロックチェーンを利用した定期的な自動支払メカニズムを提案するブログ記事を発表した。

例えば人々は、毎月、公共料金や定期購入などの代金を支払うために、自動支払いを使っている。Visaは、こうした支払いをブロックチェーン技術によって実施したり、改善することを探っている形だ。

具体的には、Visaの研究チームは、セルフカストディ(自己管理)型ウォレット用のスマートコントラクト・アプリケーションのプログラム方法を提示している。これを用いれば、ユーザーはセルフカストディ型ウォレットから、別のアカウントに、定期的に自動で送金できるようになる。

●StarkNetでテストを実施

この仕組みを築く上で、Visaのチームは「Account Abstraction(AA:アカウント抽象化)」というコンセプトを土台にしている。これは、イーサリアム(ETH)創設者のヴィタリック・ブテリン氏が2015年に発表したものだ。

セルフカストディ型ウォレットでは、ユーザーが秘密鍵を管理しているため、通常では各取引で、ブロックチェーン上で支払いを開始するためにユーザーの操作が必要である。「アカウント抽象化(AA)」の仕組みを応用すれば、こうした支払いを自動化することができる。

研究チームは、既にAAをサポートしているイーサリアムのL2ネットワーク「StarkNet」を使ってこの自動支払いアプリケーションを構築したと説明した。

Visaのプロトコル責任者であるCatherine Gu氏は、次のように説明した。

"自動決済は、既存のブロックチェーンインフラに欠けている核心的な機能の1つだ。今回紹介した方法を使えば、定期的な支払い以外でも、ブロックチェーンで様々な実世界での導入事例を実現できる。"

"Visaの目標は、既存のものに加えて新しい決済レールを活用した、より良いユーザー体験の創造を促進することだ。"

――Web3に積極姿勢

Visaは、暗号資産(仮想通貨)決済可能なカードの発行など仮想通貨分野を始め、多くのWeb3領域へと乗り出しているところだ。

10月には、仮想通貨やNFTを扱えるデジタルウォレットやメタバースを念頭に置いた商標登録を申請している。3月には、アーティスト向けのNFT支援プログラムを開始。ミュージシャンやデザイナーなどクリエイターがNFTプロジェクトを始める上での成長機会を提供していく。

(イメージ写真提供:123RF)

https://coinpost.jp/?p=417674

CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ