中国、デジタル人民元実証実験の参加都市を追加

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 中国のデジタル人民元実証実験に新たな都市が追加されることになり、その正式導入が現実味を帯びてきている。

 新聞社Workers' Dailyによると、山東省済南市が試験地域に追加される。また、広西チワン族自治区の南寧市と防城港市、雲南省の昆明市、シーサンパンナ・タイ族自治州も加わる予定だという。

 シーサンパンナ・タイ族自治州は雲南省最南端に位置するタイ族の自治州である。

 この動きは、実証実験がややなじみの薄い技術に進出していることを意味する。第一陣の試験都市は、上海や北京など東部のITと金融大手であったが、雲南省経済は伝統的な産業が多い。雲南省最大の産業には、タバコ、農業、鉱業、観光業などがある。

 広西チワン族自治区はベトナムと国境を接しており、鉱物資源とコメの生産で有名である。

 一方、済南市は山東省の主要鉄道拠点で、新興の産業中心地である。山東省もまた、美しい自然が観光客に人気のある地域だ。

 また、一部のEコマースプラットフォームでは、発行記念品も配布されている。新たな試験都市では、スマートフォンにウォレットをダウンロードすれば、抽選で11ドル相当のデジタル人民元が当たる。

●デジタル人民元の国際的な舞台

 中国本土と香港の政治指導者は11月末、デジタル人民元初のクロスボーダー実証実験プロジェクトを共同で立ち上げると示唆した。また、12月初め、決済企業アリペイおよびEコマースプラットフォームのタオバオは、デジタル人民元の機能を導入すると発表している。

 23年9月から10月にかけて杭州市で開催されるアジア競技大会の主催者も、デジタル人民元を世界の観客に紹介する準備を進めている。2022年北京冬季オリンピックの選手、コーチ、メディア関係者は、デジタル人民元を直接体験した最初の海外参加者となった。

 大会とオリンピック村の店舗で配布されたデジタル人民元の「ハード」ウォレットはすべて、デジタル人民元かビザカードの支払いにのみ対応していた。新型コロナウィルスの流行以来、初めて海外からの観客が招待される杭州市アジア競技大会でも、同様のシナリオが予想されている。

 2023年アジア競技大会の主催者は先週、同大会のマスコットをモチーフにした「ハード(オフライン)」リストバンドスタイルのウォレットを公開した。

 デジタル人民元は、中国ではDC/EPまたはDCEPとしても知られている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/china-adds-more-cities-its-digital-yuan-pilot.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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