「テラフォーム・ラボ創業者はセルビアに滞在中」と韓国の法務専門家が指摘

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 韓国の法務専門家らが、行方不明となっているテラフォーム・ラボの共同創業者ド・クォン氏が恐らくセルビアに居住することを選択した理由について、自分達の考えを語った。

 韓国の検察は12月、クォン氏が現在セルビアに居住しており、UAE(アラブ首長国連邦)を経由して同国に渡航したと思われると述べた。韓国の法務省は、送還命令を得るためにセルビア当局と話し合っているという。

 クォン氏の韓国のパスポートは取り消されており、少なくとも理屈上は、現在地から海外に移動することはできない。同氏とテラフォームの他の複数の幹部には逮捕状が出ており、インターポールはレッド・ノーティス出して世界の警察にクォン氏の逮捕を要請している。

 クォン氏は、資本市場法違反と詐欺の罪で指名手配されている。同氏はこれらの罪を否認しており、これらを「政治的動機によるもの」だとしている。しかし同氏はこれまでのところ、自身がセルビアに居住しているという考えを否定も肯定もしていない。

 朝鮮日報は特集の中で、クォン氏が恐らくセルビアを目的地とした理由を韓国の複数の専門家に質問した。

 専門家らの主張は以下の通りだ。

●セルビアと韓国の間で送還の前例がない

 セルビアと韓国は、犯罪人引渡し条約を結んだことがない。専門家らは、この条約が無ければ韓国の検察は窮地に立たされる可能性があると述べた。韓国政治司法政策研究院のスン・ジェヒョン研究員は次のように述べたと伝えられている。

 「韓国の検察が逮捕を確実にするには、セルビアが送還命令を出さなければならず、送還が双方にとって有益である必要がある。セルビアはこの点においてまだ前例のない国だ」

 スン氏は次のように付け加えた。

 「セルビアにインセンティブが無ければ、韓国は送還のために公権力を行使する必要がある。短期間で(クォン氏を)送還することは(当局には)困難だと思われる」

●セルビアでは暗号資産(仮想通貨)の入出金が「容易」

 元検察官で現在はPKロー・ファームに勤めるイ・ホンヨル氏は次のように述べた。

 「セルビアは暗号資産関連の多くの物事についてポジティブな姿勢を取っている国だ。同国は21年に暗号資産取引を合法化し、マイニング活動は政府から積極的な支援を受けている。クォン氏は、自身の暗号資産を守るために同国を選んだようだ」

 別の人々は、セルビアでは暗号資産へのアクセスが容易だと意見している。コインATMレーダーのデータによると、セルビアには3台の暗号資産ATMがあり、うち2台は首都のベオグラードに、1台はノヴィ・サドに所在する。

 イ氏はさらに次のように推測した。

 「クォン氏の滞在が長引けば、同氏による犯罪の収益が再投資されることでマネーロンダリングされる可能性を検察は懸念する必要があるかもしれない」

 同氏は、クォン氏は自身の資産を「セルビアのブロックチェーン特化型ベンチャー企業」に投資しようとする可能性もあると主張した。この要素も、韓国の検察にとって事態をより複雑にする可能性がある。

 クォン氏がセルビアに渡航したと検察が主張する前は、同氏はソーシャルメディア上で比較的活発に動いていたが、この件に関する最初の報道が出て以来、ツイッターへの投稿を控えている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/experts-explain-why-do-kwon-may-serbia.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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