決済システム大手ビザ、自動取引でETHとの連携を提案

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 決済大手ビザは、イーサリアム(ETH)ユーザーが第三者の関与なしにプログラム可能な自動決済を行うことを可能にする提案を発表した。

 同社のブログ投稿「暗号資産(仮想通貨)ソートリーダーシップ」によると、ユーザーアカウントとコントラクトアカウントの仲介役を務めるスマートコントラクトを利用してこの目標を達成し、銀行やその他中央集権型組織を介さずに自動定期支払いを行うことができる自己管理ウォレットを開発するということだ。

 この種のサービスはすでに銀行口座保有者や伝統的金融会社ユーザーには提供されているが、現時点でブロックチェーンネットワークにそのような機能はない。ビザはこの機能をイーサリアムネットワークに導入する最初の企業になろうとしている。

 「ブロックチェーン上では、この種の取引はそれほど単純ではない」と同社は言う。イーサリアムのレイヤー2ネットワーク「StarkNet」にこの自動支払いソリューションを実装する計画であるという。この提案を共同発表したビザの中央銀行デジタル通貨・プロトコル責任者であるキャサリン・グー氏は、次のように述べた。

 「ブロックチェーンの主なユースケースの1つが決済のためであるなら、より優れているとは言わないまでも、ブロックチェーンは今日と同じくらい良く機能しなくてはならないというのが基本的な要件だ」

 ビザによると、この機能は「2022クリプト・ハッカソン・チャレンジ」の結果として考案されたという。2月に開催された同イベントでは、イーサリアム所有者がインターネットサービスから一時的に離れている間、どのように未来のある時点で暗号資産を使って支払いを行うことができるかという問題を解決するため、同社従業員が競い合った。

 現在、イーサリアムネットワークでは2種類のアカウントが存在する。秘密鍵によって 管理されるEOA(外部所有アカウント)と、基本的にはスマートコントラクトであるCA(コントラクトアカウント)である。

 EOAは取引を開始することができるが、CAはできない。しかし、スマートコントラクトとウォレットをイーサリアムブロックチェーン上の単一タイプのアカウントに統合するというアイデアであるAA(アカウント抽出化)を利用することで、EOAの代わりに取引を開始することができるスマートコントラクトを作成することが可能になる。

 AAのユースケースの1つは、スマートコントラクトを利用した決済自動化を可能にする「委任可能なアカウント」の作成である。AAのアイデアは15年にさかのぼり、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏によって提案された。この提案は、17年にEIP(イーサリアム改善提案)86として正式に発表されている。

●取引所のイーサリアム残高、歴史的低水準に

 暗号資産取引所FTXの崩壊と、中央集権型取引所に対するユーザーの信頼がますます低下する中、大口または「クジラスタイル」のウォレットが取引所から資金を引き出し続けている。ビットフィネックスのアナリストによると、22年は取引所で保有されるビットコイン(BTC)およびイーサリアムが歴史的な減少を記録した年であるという。

 報じられている通り、世界最大の暗号資産取引所であるバイナンスでは、先週の1日で30億ドル以上が引き出された。ビットフィネックスは最新のレポートで、次のように記している。

 「22年、中央集権型取引所に保有されているビットコインとイーサリアムは対前年比で最大の減少幅を記録し、両通貨とも30%近く減少。11月の月間減少率は、ビットコイン史上で3番目、イーサリアム史上で5番目に大きく、両通貨の減少率は17年以来最大のものとなった」

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/payment-system-giant-visa-proposes-working-with-ethereum-for-automatic-transactions-how-does-it-work.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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