新たなレポートで、北朝鮮が10億ドル以上相当の暗号資産を盗んだと報告

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 北朝鮮政府が支援するハッカー集団が、17年以降で10億ドル以上相当の暗号資産(仮想通貨)を盗んだことが明らかとなった。

 韓国の主要諜報機関NIS(国家情報院)は、北朝鮮のハッカーが過去5年間で推定1兆5000億ウォン(約12億ドル)の暗号資産を盗んだと報告。AP通信が報じた。

 22年に入ってからは、合計額の半分以上にあたる約8000億ドルウォン(6億2600万ドル)が盗まれている。さらに、そのうち1000億ウォン(7800万ドル)以上は韓国からのものだった。

 NISによると、北朝鮮はサイバー犯罪に力を入れており、暗号資産の盗難に関しては世界でもトップクラスとなった。特に核実験とミサイル実験を受けて国連の経済制裁が強化された17年以降、サイバー犯罪に注目し始めている。

 北朝鮮は盗んだ暗号資産を使って、核実験の資金調達を行い、国連の制裁と新型コロナウイルスパンデミック(感染症の世界的流行)の中で過去数年間絶えず収縮してきた脆弱な経済を支えている。

 NISは、北朝鮮ハッカーが韓国の最新技術と韓国の外交・安全保障に関する機密情報を盗むため、23年に違法なサイバー活動をさらに強化すると予想している。

 日本、韓国、米国は12月初め、北朝鮮の兵器プログラムに関与する北朝鮮当局者に対し、新たな制裁を発表。この動きは、北朝鮮が経済的困難を抱えているにもかかわらず、22年に入ってから過去最多のミサイル実験を実施していることを受けたものだ。

 米財務省のOFAC(外国資産管理局)は8月初め、マネーロンダリング活動に関与したとして、暗号資産ミキサー「トルネード・キャッシュ」に制裁を課した。

 OFACは当時、トルネード・キャッシュが19年以降、70億ドル相当の暗号資産を資金洗浄するために利用されたと指摘。その中には、北朝鮮が後援するサイバー犯罪グループ「ラザルスグループ」による約10億ドルの資金洗浄も含まれていたという。

 報じられている通り、北朝鮮のハッカー集団ラザルスグループは、約6億2500万ドル相当のイーサリアム(ETH)とUSDコイン(USDC)が盗まれた史上最大級の暗号資産ハッキング事件、アクシーインフィニティのロビンブロックチェーンのハッキングに関与していた。

 北朝鮮は暗号資産ハッキングへの関与を繰り返し否定しており、14年のソニーピクチャーズと17年のランサムウェア攻撃Wannacryの首謀者として批判されたラザルスグループを巡る指摘にも反論している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/new-report-north-korea-stolen-excess-of-1-billion-worth-of-crypto-assets.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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