暗号資産ブローカーのジェネシス、貸付問題解決のためさらなる時間求める

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 暗号資産(仮想通貨)ブローカーのジェネシス・グローバル・トレーディングの暫定CEO(最高経営責任者)デラル・イスリム氏は、同社の貸付事業を苦しめている財政危機を解決するためにはまだ時間がかかると述べた。

 イスリム氏は4日の声明で、現在の厳しい財務状況を整理することはできるだろうが、まだ時間が必要であるとし、次のように述べた。

 「できるだけ早く動けるよう尽力しているが、これは非常に複雑なプロセスでさらなる時間を要する。私たちは、解決策に到達することができると信じている」

 イスリム氏は、ジェネシスのデリバティブおよびスポット取引サービスはまだ完全に稼働していると主張。「われわれは引き続き、借入と融資の仲介事業に解決策を見出し、影響を受けたすべての顧客にとって最高の結果を得ることに注力していく」と続けた。

 FTXの破たんを受け、DCG(デジタル・カレンシー・グループ)が所有するジェネシスの融資部門、ジェネシス・グローバル・キャピタルは、償還と新たなローン組成を一時的に停止すると発表。ジェネシスはツイッターで、「異常な引き出し要請」が「現在の流動性」を上回ったと説明している。

 また、ジェネシスはFTXの取引口座に1億7500万ドルのロックされた資金があることも明らかにしている。同社は当初、損失による影響はあまりないと主張していたが、ジェネシス・グローバル・キャピタルが10億ドルの調達を模索し、再編成に関するアドバイザーを雇用しているという報道は、異なる状況を示している。

 22年11月、DCG創設者のバリー・シルバート氏は、ジェネシス・グローバル・キャピタルに対し5億7500万ドルの負債を抱えていると株主に明かした。23年に返済期限を迎えるこの融資は、スリー・アローズ・キャピタルの債務不履行によってジェネシスに生じた債務を、DCGが肩代わりした後に行われたとみられている。

 同社の引き出し停止は、暗号資産業界における他のプレイヤーにも影響を与えた。ジェネシス・グローバルとの提携により高金利アカウントを提供していた「ジェミニ・トラスト・アーン」も、11月中旬に償還を停止。約9億ドルのジェミニ顧客資金がジェネシスにロックされているという。

 報じられている通り、一部の暗号資産投資家は、暗号資産取引所ジェミニの創設者、タイラーとキャメロン・ウィンクルボス兄弟に対し、両氏とその取引所による詐欺と取引法違反を指摘し、集団訴訟を起こしている。

 一方、ウィンクルボス兄弟は公開書簡でシルバート氏を激しく批判している。同兄弟は、シルバート氏の「悪意のある」ビジネス手法を非難し、ジェミニとその顧客に約10億ドルの債務を負っていると主張した。ウィンクルボス兄弟は、次のように記した。

 「過去6週間、私たちはあなたが借りている9億ドルを返済してもらえるよう、誠意と協力的な方法をもってあなたと関わるためにできる限りのことをしてきた。しかし、あなたが不誠実な時間稼ぎを行っていることが明白になってきている」

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/crypto-brokerage-genesis-global-trading-asks-for-more-time-resolve-lending-issues-what-going-on.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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