ETHのシャンハイ・テストネット、バリデーター・ステーキング出金の有効化のため早ければ2月にローンチ

80565059_s.jpg

 イーサリアム(ETH)開発者らが、20年12月からビーコン・チェーンにステーキングされているイーサリアムの出金を可能にするコードを含む、シャンハイ・アップグレードの公開テストネットを2月末までにリリースする計画を立てている。

 イーサリアム開発者らは1月5日の会議で、シャンハイ・ハードフォークの暫定目標を23年3月とした。この期日に間に合わせるため、開発者らはシャンハイ・アップグレードの公開テストネットを2月末までにリリースする予定だ。

 開発者らはこの会議で、今回のアップグレードはイーサリアムの出金にのみ焦点を当てる予定だと指摘した。また、同ブロックチェーンのEVMプログラミング環境の改善案であるEOF(EVMオブジェクト・フォーマット)と呼ばれる一連のEIP(イーサリアム改善提案)を組み込む計画は、シャンハイを遅らせる可能性が懸念されるため、撤回された。

 イーサリアムのトップであるヴィタリック・ブテリン氏も、EOF実装を急ぐことに懸念を表明している。同氏は次のように述べた。

 「EVMにおいては、他の機能を追加するよりも削除するほうが遥かに難しい。新たなバージョンのEVMを作るならば、それは将来行いたいあらゆる種類のアップグレードに対する高い前方互換性という考えで設計されなければならない」

 会議に出席したギャラクシーのリサーチ・アソシエイトであるクリスティーン・キム氏は、ブログ記事の中で、22年のクリスマス直前にローンチした現在のシャンハイ用開発者テストネットはすでに4000ブロックまで進んでいると述べた。さらに、全てのEL(実行レイヤー)及びCL(合意レイヤー)クライアントの組み合わせが、現在このテストネットで稼働中だ。

 このアップグレードはイーサリアム・コミュニティの多くの人々の間で反響を呼んでいる。このアップグレードはイーサリアム・ステーキング契約からの出金を可能にするため、イーサリアムのステーキングのリスクを大幅に減少させ、より多くのユーザーがトークンをステーキングするようになると期待されている。

 ステーキング・リワードのデータによると、イーサリアムのステーキング比率は現在最も低く、全イーサリアムのうち13.79%しかステーキングされていない。これに対し、他のPoS(プルーフ・オブ・ステーク)ブロックチェーンのステーキング比率は遥かに高く、コスモス・ハブは62.5%、カルダノは71.8%、ソラナは71.4%だ。

 シャンハイ・アップグレードによる大きな影響の1つが、バリデーター・ノードを動かさずにステーキングに参加できる、リドやロケット・プールのようなリキッド・ステーキング・プロトコルだ。言い換えると、32イーサリアム未満を有するユーザーはこれらのプラットフォームを使ってステーキングに参加できる。

 そのため、これらのプロトコルのネイティブ・トークンは今回のアップグレードが近付くにつれ盛り上がりを見せる可能性がある。リドのネイティブトークンであるリドDAO(LDO)は現在1LDO=1.88ドルで取引されており、過去1日間で17.5%上昇している。ロケット・プールのロケット・プール(RPL)は過去24時間で約15%上昇している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/ethereum-shanghai-testnet-may-launch-as-early-as-february-enable-validator-staking-withdrawal.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ