暗号資産界の巨人マイク・ノボグラッツ氏、今はコストを削減して「移行期」を生き残る時と

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 米国の暗号資産(仮想通貨)金融サービス企業ギャラクシー・デジタル・ホールディングスの創設者であるマイク・ノボグラッツ氏は、22年の出来事は暗号資産業界を「浄化」し、今は「移行期」を生き残る時であると論じた。

 同氏は10日、CNBCとのインタビューで、22年は暗号資産業界にとっての「大規模な洗浄」の年であり、コストが高く利益が縮小していたすべての企業が「打ちのめされた」と語った。

 業界では「多くの悪いニュースが流れた」とノボグラッツ氏は述べた。売るものを持つ者は売り、レバレッジをかけられていた者はレバレッジから抜け出したという。「そのため、市場は今非常にクリーンである」とした。

 それゆえに同氏は、「23年は生き残りたい年になる」と警告。

 続けて、「暗号資産の見通しは最悪ではないが、素晴らしいものでもない」と述べた。

 「以前はなかった規制の逆風が吹いている。ナラティブを回復し、再構築するための時間があるため、人々はコストを削減し、この移行期を乗り切ろうとするだろう」

 また、業界にとって良いニュースもあるとし、長期的には「暗号資産はなくならない」との見解を示した。ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)は過去数カ月間「非常に安定して」推移しており、過去数日間では上昇していると同氏は指摘した。

 UTC(協定世界時)11日9時10分、ビットコインは前日比で1%高、前週比で4.5%高の1BTC=1万7442ドルで取引されている。同時刻、イーサリアムは前日比約1%高、前週比約10%高の1ETH=1334ドルとなっている。

 ノボグラッツ氏は、市場は「非常にクリーン」であるが、「DCG(デジタル・カレンシー・グループ)やジェネシス、ジェミニなどの問題も残っており、次の四半期でその問題が発展した場合、あまり良くないだろう」と述べた。

 「大量の売りが発生するとは思わないが、良いニュースとは言えない」

 ノボグラッツ氏のコメントの背景には、FTX取引所など数々の大手企業が破綻し、その影響が数カ月にかけて広がっていることで、暗号資産の冬が長引き、業界における不確実性が高まっていることがある。

 FTX破たんの前には、テラ(LUNA)、スリー・アローズ・キャピタル、セルシウス・ネットワークが崩壊し、業界は大きく揺らいだ。一方、さらなる損失や破産を避けるため、業界内では多くの企業がコスト削減の努力を続け、人員削減が行われている。

 ノボグラッツ氏が名前を挙げた企業については、DCG(デジタル・カレンシー・グループ)が所有するジェネシスの融資部門、ジェネシス・グローバル・キャピタルは、FTX破たんの余波で、償還と新たなローンの組成を一時的に停止すると発表した。つい数日前には、ジェネシス・グローバル・トレーディングの暫定CEO(最高経営責任者)デラル・イスラム氏は顧客に対して、同社の融資事業を悩ませている財務危機を解決するには、さらなる時間が必要であると伝えた。

 さらに6日、DCGは同社とその融資部門との内部取引について米検察から調査を受けていると、ブルームバーグが匿名の情報筋の話として報じた。

 一方、暗号資産ビリオネアで暗号資産取引所ジェミニ創設者のタイラーとキャメロン・ウィンクルボス兄弟は、利回り獲得プログラム「ジェミニ・アーン」を巡り投資家から訴えられている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/crypto-boss-mike-novogratz-says-its-time-to-cut-costs-and-survive-this-transition-period.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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