BTCの取引急増は価格にどのような影響を及ぼすか

46616895_s.jpg

 ビットコイン(BTC)ブロックチェーンの活動の増加は、時価総額で見て世界最大の暗号資産(仮想通貨)である同通貨の最近の価格急騰と同時に起こっている。コインベースのデータを参照しているトレーディングビューによると、BTC/USDは直近で2万1100ドル台で取引されている。これは、同通貨が1月に約28%上昇したことを意味する。

 トレーダーらは、ビットコインと暗号資産市場全体の上昇は、最新のCPI(消費者物価指数)や労働者統計後の米国のインフレ懸念の緩和や、米国経済の減速を示す新たな証拠などのマクロ的な追い風に起因していると考えており、これらの複合効果が、23年と24年のFRB(米連邦準備制度理事会)による引き締めへの賭けを減少させている。

 ビットコインと暗号資産は、経済が緩和された際に好調になる傾向があり、マクロ的な追い風によって、オルタナティブ・ドットミーのビットコイン恐怖&貪欲指数は22年4月以来初めて恐怖側から持続的に離れて(つまり50を超えて)いる。

 ビットコインの最近の急騰は、相次ぐショートポジションの清算をもたらしており、コイングラス・ドットコムのデータによると13日には1日間で1億4100万ドルと、少なくとも3カ月間での最高値となった。

 コイングラス・ドットコムによると、この急騰によって主要暗号資産取引所でのビットコイン資金調達率も若干増加している。「プラスの資金調達率は、投機家が強気であり買い方が売り方に資金を支払っていることを示している」という。しかし、このビットコイン資金調達率の小幅な上昇は、22年11月初頭のFTX破綻直後の資金調達率の大幅な下落と比べると小規模だ。

●取引の急増はビットコイン価格にとって何を意味するのか?

 一部の暗号資産強気派は、ビットコイン・ブロックチェーンでの最近の取引急増は、同通貨の需要の増加を反映している可能性があり、この需要増加が今後数週間、数カ月間での価格上昇を助けるかもしれないと期待するだろう。しかし、他のオンチェーン指標はこの主張を支持していない。

 グラスノードのデータによると、ブロックチェーン上で移動しているビットコインの総額は、取引数が増加しているにもかかわらず数年来の低水準にある。16日の移動額は173億ドル強で、FTX破綻前の水準をまだ大きく下回っている。

 個々の取引は増えているかもしれないが、同ネットワーク上で移動している金額は増加していないことを、このデータは示している。一方で、ビットコインの残高がゼロでないアドレスの数は4313万強で、22年11月のFTX破綻による急減少の後は、ここ数週間概ね変化していない。

 これは、最近の取引急増は新規購入者によるビットコインの積立によるものではないことを示唆している。それでは、これらのことは最近のビットコイン上昇が行き過ぎであることを示唆しているのか?

 必ずしもそうではないが、オンチェーンのデータはまだ強気市場の継続の接近を示していないと示唆される。実際、テクニカル投資家らは、ビットコインが今週2万1500ドルの重要なレジスタンスを取り戻せなかったことと、14日間RSI(相対力指数)が示す短期的な買われ過ぎの市況によって、短期的な利益確定による2万ドル割れへの下落リスクが高まっていると指摘している。

 2万ドル割れへ下落した場合、アナリストらは1万9500ドルの200日間移動平均線と1万9700ドルの実勢価格への再挑戦にビットコインがどう反応するかを注視するだろう。ビットコインがこれらの重要な水準を上回り続ければ、22年の弱気市場終了のサインになり得るとアナリストらは考えている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/bitcoin-transactions-surge-21-month-high-what-means-for-btc-price.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ