日本、暗号資産法人税の改正に向け前進

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 日本が、暗号資産(仮想通貨)人材や資本の海外「脱出」を防ぐために、企業に対する厳しい暗号資産税法の改正へと少しづつ前進している。

 改正への圧力はここ数年間高まっており、業界関係者や野党のリーダーらは皆改革を求めている。

 最近では、金融規制当局の金融庁が制限的な法律を改正したいとの意向を表明しているが、このプロセスの最終段階は国税庁の承認だ。

 しかし国税庁はまだ改正の意向を公に示しておらず、アナリストらは、同庁が税制改革法案に取り組んでおり、今後数カ月のうちに国会での公表を望んでいると考えている。

 国税庁は20日、暗号資産課税の問題についてのFAQ集を公開した。

 これらは今後の税改正について直接言及してはいないが、税法を専門とする千葉商科大学の泉絢也准教授はツイッターで、この国税庁文書には一定の改革支持的なニュアンスが含まれていると指摘した。

 例えば、暗号資産税法の専門家である同氏は、一定のケースではステーキング契約で「ロックアップ中」のコインは課税の対象にならない可能性があることをこのFAQは示唆しているようだと指摘している。

 日本の法律では現状、「含み益」、つまり法定通貨に対するトークン価値のプラスの価格変化に対して企業は税金を支払わなければならない。例えば、ある会社が会計年度内に価値の上がったトークンを保有していた場合、この会社はトークンの増分価値に対して税金を支払う義務がある。この会社がトークンを売って法定通貨にしていない場合でもそうなる。

 他の国々では、多くの場合、保有するトークンを売って法定通貨にしたときにのみ、企業は税金を支払う義務がある。

 多くの日本企業、特にコインを発行し保有する企業やステーキングサービスを提供する企業は、この法律が不公平だと考えている。

 ウェブ3インフラ開発企業であるステイク・テクノロジーズの渡辺創太CEO(最高経営責任者)は22年にジャパン・タイムズに対し、「税率が高いこともあり、シンガポールに会社を移した」と語った。

 同氏は次のように述べた。

 「日本で事業を行うのは不可能だ。ウェブ3の覇権を賭けた戦いは現在進行中であり、日本はスタートラインにも立てていない」

●日本の税務機関にとって「重要な」タイミング、暗号資産企業は決断を待つ

 しかし泉氏は、このFAQ公開のタイミングは重要だと主張した。

 同氏は、国税庁がFAQ「情報をこの時期に公開」した「事実」は、「(改正)案の中身がほぼ固まったことを意味する」かもしれないとつぶやいた。

 泉氏は次のように続けた。

 「行政機関である国税庁が、法案作成を担当する当局が現在書いている法案と齟齬を来す可能性があるものを、わざわざこの時点で公表するとは思えない」

 暗号資産業界の代表者団体であるJCBA(日本暗号資産ビジネス協会)とJVCEA(日本暗号資産取引業協会)は22年、企業によるトークンの発行・保有のコストを下げるよう求める要望書を金融庁に提出した。

 金融庁は暗号資産関連のほとんどの事項について権限を有しているが、税金関連の事柄については最終決定権を持っていない。

 しかし、岸田文雄首相による比較的強気なウェブ3を支持する発言は、待望されていたこれらの改革がついに間近に迫っていることを示唆している可能性があり、実現は数カ月以内かもしれない。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/japan-edges-toward-corporate-crypto-tax-reform.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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