イーサリアムのヴィタリック・ブテリン氏、プライバシー強化目的の「ステルスアドレス」提案

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 イーサリアム(ETH)創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、一般ユーザーのプライバシーを確保するためのワークフローを劇的に改善し、簡素化するイーサリアムの新たなシステム「ステルスアドレス」を提案した。

 ブテリン氏は20日、「ステルスアドレスに関する不完全ガイド」と題したブログを投稿。それによると、この新たなシステムは、誰かが受け取るトランザクションごとに新たなアドレスを生成するのと同等のプライバシー特性を備えているという。

 唯一の違いは、受信者がいかなる作業もすることなく、これが実現するということだ。

●イーサリアムの大きな課題であるプライバシー問題

 ブテリン氏はブログ投稿の中で、プライバシー(あるいはその欠如)がイーサリアムユーザーにとっての大きな問題であることを認め、次のように述べた。

 「イーサリアムエコシステムに残る最大の課題の1つは、プライバシーだ。デフォルトでは、パブリックBC(ブロックチェーン)に入るものはすべて公開される。実際、すべてのイーサリアムアプリを利用することは、自分の生活のかなりの部分を公開し、誰もが見て分析できるようにするということだ」

 ブテリン氏は、ユーザーのためにこの状況を改善することは、デベロッパーが取り組むべき重要な問題として「広く認識されている」と加えた。

●「秘密のスペンディングキー」と「ステルスメタアドレス」

 具体的に説明すると、ブテリン氏が提案したシステムは、取引の受信者のみがアクセスできる「スペンディングキー」という秘密鍵を使って、ウォレットが資金を受け取るために「ステルスメタアドレス」というものを生成することで機能する。ステルスアドレスは送信者と共有され、受信者がそのアドレスが自身のものであるということを理解できるように、送信者は「一時的公開鍵」という暗号データをオンチェーン上に公開しなければならない。

 秘密鍵と公開されたステルスメタアドレス両方の生成を可能にするため、ブテリン氏は「ディフィー・ヘルマン鍵交換」として知られるシステムを使うことを提案。同氏によると、このシステムは現代暗号技術の基礎的な部分であり、ステルスアドレスをイーサリアムに実装するために必要なものを達成することができるという。

 ブテリン氏は続けて、新たなシステムを使ったワークフローの詳細をイラストを用いて説明している。

●ゼロ知識証明

 ブテリン氏は最後に、紛失した鍵のいわゆる「ソーシャルリカバリー」に関する問題など、ステルスアドレスが「長期的なユーザビリティの懸念」をもたらすことを認めた。同氏は、今のところはこうした懸念を単に受け入れることができるが、より永続的な解決策はゼロ知識証明に「非常に大きく」依存している可能性が高いと述べている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/ethereums-vitalik-buterin-proposes-stealth-address-system-enhance-blockchain-privacy-heres-how-it-works.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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