米コインベースCEO「ステーキング禁止の噂が事実なら、米国は愚かな道に進んでいる」

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●SECのステーキング禁止の噂

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは8日、「米証券取引委員会(SEC)がステーキングを禁止しようとしている」との噂についてツイッターで言及した。

噂が本当であれば「米国は愚かな道に進んでいる」と批判し、業界で団結する必要があると主張した。

"SECが米国で一般投資家向けの仮想通貨ステーキングを排除したいと考えているという噂を耳にした。そんなことが許されたら米国にとってひどい道になると思うので、そうならないことを祈る。"

ステーキングとは、一定量の暗号資産(仮想通貨)を所定の期間、預け入れることで報酬が得られる仕組み。

米コインベースは21年4月よりイーサリアム(ETH)のステーキング代行サービスを顧客に向けて提供し始めた。22年8月には機関投資家サービス「Coinbase Prime」でもETHのステーキングに対応開始した。

3月にイーサリアムの次期大型アップグレード「上海」にてステーキングETHの出金が解除される予定があり、それを前にしてPoS銘柄への規制引き締めの可能性は投資家心理を悪化させる可能性があるとみられる。

アームストロングCEOは、VC大手Paradigmの論文を引用して、ステーキングは証券ではないと主張。論文は、主に証券性を判定する(Howeyテスト)を参照して「共通企業が存在しないETHのステーキングは、Howeyの共通事業の原則を満たさない」と主張している。

アームストロング氏はまた、ステーキングは仮想通貨における非常に重要なイノベーションだと強調。ユーザーがオープンネットワークの実行に直接参加でき、スケーラビリティ、セキュリティの向上、二酸化炭素排出量の削減など多くの利点があると指摘。

新しい技術が米国で成長するようにし、明確なルールの欠如によって阻害されないようにする必要があると述べた。

"これらの能力が米国外で構築されることは、国家安全保障の問題だ。強制による規制はうまくいかない。FTXがそうであったように、企業が海外で活動することを助長してしまう。"

ステーキングサービスプロバイダーであるStakedのレポートによると、22年末時点のステーキング資産総額は約420億ドル(5.5兆円)、年間で発生したステーキング報酬は30億ドル(4000億円)と試算されている。

●SECの動向

米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は22年9月、ステーキングを採用する仮想通貨と、ステーキングサービスを提供する取引所などの仲介業者は証券に分類され得ると述べていた。

当時、ゲンスラー氏の発言は、イーサリアムのPoSへの大型アップグレード「マージ」実装完了の数時間後というタイミングでなされたため、イーサリアムも証券としてSECの規制対象とする可能性を仄めかしたのではないかと、注目を集めることになった。

SECは7日、未登録の仮想通貨取引会社が個人退職口座(IRA)を通して提供する仮想通貨について、未登録の証券に該当するとして投資家向けに警告を発した。

『SEC登録または登録からの免除なしに提供されている証券である可能性があり、投資家が情報に基づいた意思決定を支援するための完全または正確な情報が提示されていない可能性がある。』

SECは21年、仮想通貨融資プラットフォーム「BlockFi」が提供していた利回り商品(有利子口座サービス)が、証券法に違反する可能性があるとして調査を開始。22年2月にBlockFiが、同商品を証券として登録することに同意し、約143億円(1億ドル)でSECと和解した経緯がある。

(イメージ写真提供:123RF)

https://coinpost.jp/?p=431963

CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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