米バックトが消費者向けアプリを停止へ―規制当局の取り締まり強化が影響か

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 消費者が資産を閲覧・取引できるアプリなどの暗号資産(仮想通貨)カストディ・サービスを手掛ける米バックトが消費者向けアプリの停止を発表した。規制当局による監視が強化されていることが背景にあるようだ。

 デジタル資産企業である同社は13日の報道発表で、B2B(企業間)技術サービスに注力するため消費者向けアプリを閉鎖すると語った。

 同社によると、アプリは3月16日に正式に配信が停止されるが、現在のユーザーは新たなウェブサービスを通じてバックトのプラットフォーム上で自身の暗号資産と現金にアクセスできるようになる。バックトのギャビン・マイケルCEO(最高経営責任者)は次のように述べた。

 「B2B2C戦略で牽引力を獲得し続ける中、私たちはパートナーと取引先のニーズを最も満たすシームレスなソリューションの提供に注力している。アプリの廃止によって、私たちのパートナーや取引先とその顧客との関係を確実にサポートしていく」

 バックトは、暗号資産取引インフラ企業エーペックス・クリプトの買収計画を背景に、B2B提案に資本を投下する予定だと述べた。エーペックス・クリプトは暗号資産商品をプラットフォームに統合しつつセキュリティと流動性を提供している。このプラットフォームは、500万人超の顧客にサービスを提供する30社超のフィンテック企業と提携していると報じられている。

●規制当局、暗号資産企業を取り締まり

 バックトのこの動きは、消費者保護を促す措置の発表を狙って規制当局による監視が強化され、消費者向け商品から撤退する暗号資産企業が増加する中で生じたものだ。

 特に、かつて世界第3位の規模の暗号資産取引所だったが、22年11月に破産を申請し個人顧客に数十億ドルの損失をもたらしたFTXの破綻が、世界中の規制当局の怒りを招いた。

 米国政府は1月下旬に、当局に対し「適切な場合には法執行活動の強化」を、議会に対し同業界の規制に関する「取り組みの強化」を求めるロードマップの中で、暗号資産の潜在的リスクに対処する計画を詳述した。

 政府は特に、議会に対し暗号資産市場規制の取り組みを強化するよう求めている。バイデン政権はこの記事の中で、「投資家を傷つけ価格を歪める顧客資産の不正利用を防ぎ、利害関係の衝突を和らげるため、議会は規制当局の権限を拡大すべきだ」と述べた。

 SECは9日、米国内でのステーキングのサービスやプログラムの顧客への提供を停止し、同委員会の規則違反への和解金として3000万ドルを支払うことで、暗号資産取引所のクラーケンと合意に達した。

 SECによると、クラーケンは同委員会が現在証券と認定している「暗号資産ステーキング・アズ・ア・サービス・プログラムの提供・販売の登録」を怠ったという。

 そして、同委員会は直近では、パックス・ドル(USDP)及びバイナンスUSD(BUSD)を発行するステーブルコイン発行会社のパクソスを、後者のステーブルコインに関して訴える意向を表明にしている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/crypto-custody-service-bakkt-discontinues-consumer-app-as-regulator-crackdown-intensifies.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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