ビットコイン、2万2000ドル割れの後人気薄に―ファンドフローレポート

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 23年これまでに暗号資産(仮想通貨)資金流入の大部分を支配してきたビットコイン(BTC)が先週、投資家からの人気を失った。デジタル資産投資商品への資金の流出入を追跡する暗号資産分析企業コインシェアーズの最新レポート「デジタル資産ファンドフロー」が指摘した。ビットコインは9日、1月中旬ぶりに1BTC=2万2000ドルを割り、先週は最終的に5%下落した。

 コインシェアーズによると、先週のビットコイン投資商品からの純流出額は1090万ドル、アルトコイン投資商品への純流入額は390万ドルであった。ビットコインのショート商品から350万ドルの流出があったということが注目されるが、一部の投資家は23年の相場上昇の中で、下値を拾い利益確定やショートポジションの損切りを行ったようだ。

 イーサリアム(ETH)がようやく注目を浴び始めた。時価総額で世界2位の暗号資産であり、分散型金融・アプリケーションのブロックチェーンインフラを支配するイーサリアムには510万ドルが流入し、年初来の流入額は1500万ドルとなった。それでも、関連投資商品に1億8300万ドルの資金流入があったビットコインとは、まだ大きな差がある。

●暗号資産の純流出、FRBの金融引き締め懸念が引き金に

 コインシェアーズは、デジタル資産投資商品から700万ドルの純流出があったことについて、「予想をかなり上回るマクロデータが1週間続いた」ことを受け、投資家が「FRB(米連邦準備理事会)による追加利上げの見通しに懸念を示した」ためであると説明している。先々週、1月の米雇用統計と米ISM非製造業総合景況指数がともに予想を大きく上回ったことで、米国経済が依然として活発であることが示され、FRBが景気後退を引き起こすことなく利上げを推し進めることができるという確信を高めた。

●投資家、今週もマクロリスクの試練に直面

 逆風のマクロ環境が続けば、デジタル資産投資商品からさらなる資金流出が起こる可能性が非常に高く、今週も先週と同じような状況になりやすい。暗号資産トレーダーは、14日のCPI(消費者物価指数)を注意深く観察することになるだろう。暗号資産強気派にとって心配なのは、エコノミストがインフレ率の前月比上昇を予想していることである。これが現実になれば、FRBの懸念となり、金利をしばらくの間5.0%に維持する決意を高めることになり得る。

 これは、米ドルが主要G10諸国通貨に対する最近の上昇トレンドと、米国債の利回りを強化する可能性があり、暗号資産に大きな影響を与える恐れもある。米インフレ率が上昇すると、ビットコインは1BTC=2万500ドル前後(1月18日の安値および50日移動平均線)の支持帯に向かって下落する可能性がある。これを下回ると、200日移動平均線と1万9000ドル台後半の「実現価格」への扉が開かれるだろう。

 暗号資産トレーダーは、16日に発表される米小売売上高にも注目すると思われる。この指標は、米国が年度内に不況に陥る可能性がどの程度であるかについての判断材料となる。市場参加者らは、今週中に予定されているFRB当局者の発言も注視することになるだろう。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/bitcoin-falls-out-of-favor-after-losing-grip-22k-fund-flows-report-shows.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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