北朝鮮のハッカーグループが暗号資産の資金洗浄に新たなコインミキサーを使用か

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 北朝鮮のハッカーグループ「ラザルス」は、Sinbadという新たな暗号資産(仮想通貨)ミキサーに目を付けたと、ブロックチェーン分析企業エリプティックが報告している。

 エリプティックの投稿および聯合ニュースの報道によると、ラザルスは「北朝鮮の偵察総局」と関連しているという。米国と韓国は、複数の高度な暗号資産ハッキングについて、ラザルスおよび関連グループを非難している。

 セキュリティプロバイダーや政府機関は、北朝鮮に関連するグループがコインミキサーを使って取引を匿名化したことで、同国が暗号資産で多額の資金を調達することを可能にしたとみている。また、この暗号資産が北朝鮮政府の高額なミサイル実験の資金源となっているとも指摘した。

 ブレンダーは22年、米国務省から制裁を受けた。米国政府は、「北朝鮮によって盗まれた資金を洗浄するため」にブレンダーが利用されたと主張している。ブレンダーは同年4月に閉鎖されたが、一部ではその運営者が2200万ドル相当のビットコイン(BTC)をもって消えたとも考えられている。

 しかし、エリプティックは、ブレンダーが新たな装いで「戻ってきた」と主張している。

 Herald Kyungjaeによると、ブロックチェーン分析企業チェイナリシスも、北朝鮮のハッカーが「2400万ドル以上をSinbadに」送金したと報告している。

●コインミキサーとは?なぜラザルスと北朝鮮がそれを利用していると言われているのか?

 コインミキサーとは、ブロックチェーン取引を匿名化するために利用されるサービスのこと。ミキサーを利用することで、コインの送り主を追跡することが難しくなる。

 それが繰り返し利用されると、取引の追跡が困難になる。違法に取得されたコインが別の場所に移されたかどうか、あるいは現金に交換されたかどうかを確認することも難しくなる。

 エリプティックによると、Sinbadは「22年10月上旬」にリリースされ、比較的サイズが小さいにもかかわらず、ラザルスによってすぐに利用されたという。

 同社は、ラザルスがこれまでのところブレンダーを介して「数千万ドル」を送金したと指摘している。そして、ブレンダーは「Sinbadとして再スタートした可能性が高い」とした。

 エリプティックの分析によって、Sinbadが「ブレンダーのリブランドである可能性が非常に高い」ことが示され、「同じ個人あるいはグループがそれに関与している」ことが分かったという。

 同社は次のように説明した。

 「オンチェーンでの行動パターンは、取引の特定の特徴や、取引を難読化するための他のサービスの利用など、両ミキサーで非常によく似ている」

 続けて、「両サービスとも、ロシア語のサポートやウェブサイトなど、明らかにロシアと結びつきがある」と指摘した。

 米財務省は22年、史上最大の暗号資産ハッキング事件であるアクシー・インフィニティの6億2000万ドルの盗難に関与したとして、ラザルスを非難した。

 ラザルスのメンバーとみられる多くの人物が、米国と韓国両国から制裁を受けている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/north-koreas-lazarus-using-new-coin-mixer-to-launder-crypto-and-its-a-blender-re-brand.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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