ステーブルコインUST事件、SECがテラフォームラボとド・クォン氏を提訴

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 SEC(米証券取引委員会)は、テラ創設者のド・クォン氏と、同氏の組織テラフォームラボを証券詐欺を指揮したとして訴えた。

 SECは16日に発表したプレスリリースで、「(SECは)本日、シンガポールに拠点を置くテラフォームラボとド・クォン氏を、アルゴリズム型ステーブルコインおよびその他暗号資産(仮想通貨)証券を含む、数十億ドルの暗号資産証券詐欺を指揮したとして提訴した」と記した。

 この声明では、18年4月から22年5月にわたるド・クォン氏の「スキーム」が、しばしば「未登録取引」を伴う暗号資産を投資家に販売することによって、「数十億ドル」を調達したと主張している。

 また、ド・クォン氏とテラフォームラボがトークンの価値が上昇すると繰り返し主張することによって、自社の暗号資産を宣伝したとも指摘している。続けて、テラブロックチェーンを使っていたとされる韓国のモバイル決済に関連する少なくとも1つの事柄で、投資家が「惑わされ、欺かれた」と述べた。

 最後に、クォン氏とテラフォームラボが、悪名高いアルゴリズム型ステーブルコインテラUSD(UST)の安定性についても投資家を誤解させたとした。

 テラフォームラボは、失墜したステーブルコインUSTと暗号資産テラ(LUNA)の親会社。ステーブルコインUSTは、姉妹トークンLUNAを伴うアルゴリズムとトレーダーのインセンティブを組み合わせ、1ドルの価値を一定に保つよう設計されている。

 USTは、22年5月に米ドルとのペッグを失い、ド・クォン氏が何度か救済を試みたものの、回復することはなかった。

●コミュニティの反応

 テラフォームラボ提訴のニュースはツイッターの暗号資産コミュニティにも届き、複数の暗号資産ユーザーからSECの行動に疑問の声が上がった。

 そのうちの1人は、人気暗号資産トレーダー兼エコノミストのアレックス・クリューガー氏。同氏は、なぜSECがもっと早く行動を起こさなかったのかと疑問を投げかけた。

 他にも、ド・クォン氏とその組織が米国ではなくアジアに拠点を置いているのに、SECがどのように措置を講じるのかと質問するユーザーもいた。

●ド・クォン氏の居場所は不明

 クリプトニュースでも報じられている通り、ド・クォン氏はセルビアにいると考えられているが、韓国当局はこれまでのところ同氏の居場所を特定することができていない。

 23年、韓国の当局者らがクォン氏の居場所を突き止めるためにセルビアを訪れたが、少なくともこれまでのところ結果は現れていない。クォン氏をはじめとする複数のテラフォーム幹部に対しては逮捕状が出されており、インターポール(国際刑事警察機構)も同氏の国際手配(レッド・ノーティス)を出し、世界の警察当局に逮捕を要請した。

 国際的な犯罪人引渡しに関する専門家は以前、セルビアが韓国と犯罪人引渡し条約を締結していないことから、クォン氏がセルビアに潜伏している可能性が高いと指摘している。この条約がなければ、韓国検察は厄介な状況に陥る恐れがあるとした。

 ドウォン氏がセルビアにいることが確認された場合、米国からの逮捕命令がセルビアでどのように対処されるかは不明だ。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/terrausd-stablecoin-scandal-sec-sues-terraform-labs-do-kwon-for-deceiving-investors-heres-what-happened.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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