デジタル人民元、香港観光客の反応はイマイチー中国のデジタル通貨普及に壁
中国の深センが、物理カードと割引の提供で香港旅行者のデジタル人民元利用を促進する計画を開始した。しかし、最初の数日間の反応は盛り上がりに欠けたようだ。
深センニュースによると、中国初となるデジタル人民元用ハードウェアウォレットの自動カード発行機が2月22日に正式に稼働し、深センと香港を訪れる人々に「便利な」CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)決済サービスを提供し始めた。
3月31日までに5万枚のデジタル人民元用ハードウェアウォレットを発行することが目標だ。しかし、香港の住民約750万人中、これまでの利用者は1000人に満たない。この報道では、PBoC(中国人民銀行)深セン支店のデータを引用し、次のように伝えられた。
「2月26日時点で、デジタル人民元用ハードウェアウォレットを申請した香港の住民は625人だった」
プロモーション活動の一環として、利用者はこの「粤港澳大湾区をコンセプトにしたデジタル人民元用ハードウェアウォレット」を使って、羅湖区の指定店舗約1400店で20%の割引を受けることができる。羅湖区は、香港と中国本土を結ぶ深センの地区だ。
旅行者は、羅湖検問所の専用の機械でPBoCが発行するこの「大湾区」物理カードを数分で入手できる。サウスチャイナ・モーニングポストの1日の報道によると、これは香港の主要な公共交通・小売店用キャッシュレス決済システムであるオクトパスカードでチャージ可能だという。
香港からの旅行者が同じカードを通信と決済に利用できるようにするため、ウォレットとSIMカードを統合するといった、「デジタル通貨ウォレットのより多くの形態」を同行は模索する計画だ、と支店職員は語った。
報道された通り、深センは2月中旬、香港と共に小売店向けに特化した「越境」デジタル人民元試験を開始した。このイベントは、PBoCと羅湖区地方政府によって発案された。PBoCは取引上限を999人民元(約145ドル)としている。
一方、中国によるデジタル人民元の普及活動は、交通網にも焦点を当てている。中国で最も交通量の多い高速道路の一部では最近、同トークンでの通行料支払いが許可された。
さらに、湖南省長沙市の空港である長沙黄花国際空港は、中国の空港で初めて乗り継ぎ客による同トークンの利用を許可した。
2月には、中国の複数の報道機関が、電源不要のデジタル人民元決済の普及が始まっており、オフライン決済に対応する「スーパーマーケット、書店、自販機、その他の店舗」が増加していると伝えた。
22年9月には、大手民間銀行の興業銀行が、香港、マカオ、台湾在住の利用者向けにデジタル人民元ウォレット事業を立ち上げた。香港とマカオの試験が成功すれば、PBoCは同コインの利用拡大に目を向けるだろう。
PBoCの深セン支店は地元政府機関と共に、デジタル人民元の配布やその他のプロモーション活動に約8300万ドルを投じたと伝えられている。しかし、このプロジェクトは、大企業との競合(ウィーチャットやアリペイなど)という面でも、限定的な用途という面でも、依然として障害に直面している。
PBoCの数字を引用したSCMPの報道によると、中国は過去3年間でデジタル人民元の試験を26カ所の都市や地域に広げており、その流通量は22年12月末時点で136億人民元(20億ドル)に達している。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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