SWIFT、CBDC実証実験の結果良好で次期フェーズに移行

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 SWIFT(国際銀行間通信協会)は、異なるCBDC(中央銀行デジタル通貨)間の送金に関して、実証実験による結果は良好であったと報告し、「明確な可能性と価値」を見出したと評価している。

 この実証実験では特に、2つの異なるブロックチェーンネットワークと既存の法定通貨ベースの決済システムを利用して、APIベースのCBDCコネクタで異なるCBDCがどのように相互運用できるかを調査した。

 SWIFTが発表したプレスリリースによると、実証実験の全参加者が、このソリューションの継続的な開発に対して「強い支持」を表明した。参加者らは、実験の中で使われたCBDCコネクタが「CBDCのシームレスな交換」を可能にするとの見解で一致し、異なるプラットフォームで構築されたCBDC間の移行でも同じことが言えるとした。

 後者は、世界中の中央銀行が独自のCBDCを構築することによる断片化リスクを考慮すると、重要なポイントであると考えられている。

 実証実験の終了後、SWIFTは中央銀行による追加実験に向けシステムのベータ版の開発に移る予定。その後、証券決済、貿易金融、条件付き決済など、新たなユースケースを探るため、参加者を対象にサンドボックスの第2フェーズを実施すると、SWIFTはプレスリリースで説明している。

●5000件の取引をシミュレーション

 この研究では、18の中央銀行および商業銀行が参加し、12週間にわたり5000件の取引をシミュレーションした。参加銀行には、HSBC、スタンダードチャータード銀行、ナショナル・ウエストミンスター銀行などの大手国際企業、ドイツ連邦銀行やシンガポール金融管理局などの中央銀行が名を連ねた。

 SWIFTの最高イノベーション責任者であるトム・シャッハ氏は、この調査によって、伝統的通貨とCBDCが共存する金融エコシステムにおいて、SWIFTが重要な役割を果たし続けることができるということが示されたとコメント。

 「APIベースのCBDCコネクタは、2つの異なるブロックチェーンネットワークと従来の法定通貨との間の5000件近くの取引で堅牢であることが証明されており、それをさらに開発する上でコミュニティのサポートを得られることを嬉しく思っている」と同氏は述べた。

●BISもCBDC実験成功を報告

 SWIFTが調査結果を報告したわずか数日前、「中央銀行の中央銀行」と呼ばれるBIS(国際決済銀行)が、国境を越えた取引におけるCBDCの活用に関する独自の実証実験の結果を発表していた。

 BISの調査によると、中央銀行が独自のCBDCの設計について「ほぼ完全な自立性」を保ちながら、国境を越えた取引のために他国のCBDCとの相互運用性を確保することは可能であるとしている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/swift-reports-positive-results-from-cbdc-pilot-test-continues-with-next-phase-of-testing.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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