コインベース、破たんのシグネチャー銀行に2億4000万ドルの現金残高
大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが、破たんしたシグネチャー銀行に数億ドルの現金残高を持っていることを明らかにした。
13日のツイッタースレッドによると、コインベースは10日の営業終了時点で、シグネチャー銀行に「約2億4000万ドルの現金残高」を持っていた。
しかし、同社は次のように述べている。
「FDIC(連邦預金保険公社)の発表の通り、これらの資金を完全に回収することができると予想している」
規制当局は12日、ニューヨークに拠点を置くシグネチャー銀行を閉鎖。当局はその2日前にシリコンバレー銀行を閉鎖しており、数十億の預金に大きな影響が出ていた。
FDICがシグネチャー銀行を管理下に置いた。DFS(ニューヨーク州金融サービス局)によると、22年末時点で同銀行の資産は1103億6000万ドル、預金は885億9000万ドルだった。ロイター通信が報じた。
コインベースは、次のように述べた。
「銀行におけるすべての顧客現金は、引き続きFDICのパススルー保険によって保護されている。FDICがシグネチャーの取引を停止しているため、当社は現在すべての顧客の現金取引を他の銀行パートナーと行っている」
この「他の」パートナーの名前は明らかにしていない。
シグネチャー銀行の破たんは、米国の銀行史上3番目に大きなものとなった。シリコンバレー銀行は2番目、1番目は2008年の金融危機で破たんしたワシントン・ミューチュアルである。
ジャネット・イエレン財務長官とFRBのジェローム・パウエル議長、FDICのマーティン・グルーエンバーグ会長が12日に出した共同声明によると、FDICは「すべての預金者を完全に保護する形で、シリコンバレー銀行(カリフォルニア州サンタクララ)の破たん処理を完了するための承認を得た」という。預金者は、「3月13日からすべての資金にアクセスできる」ようになり、この破たんに伴ういかなる損失も納税者が負担することはないとした。
続けて、次のように述べている。
「我々は、本日州の認可機関によって閉鎖されたシグネチャー銀行(ニューヨーク州ニューヨーク市)についても、同様のシステミックリスク上の例外措置を取る。この金融機関のすべての預金者は保護され、納税者はいかなる損失も負担することはない」
声明では、株主と「一部の無担保債権者」は保護対象とはならず、経営陣は解任されたと説明している。銀行がすべての預金者の要求に確実に応じることができるよう、適格な預金取扱機関には追加の資金が提供される。
「無保険預金者を支援するための預金保険基金に対する損失は、法律で定められている通り、銀行に対する特別賦課金によって回収される」
この規制当局による措置は、預金者の流出からの影響を抑えるためのものであると、ある財務省高官が語ったと報じられている。
1月末、シグネチャー銀行は暗号資産部門へのエクスポージャーを減らすため、最低限度額を10万ドルに設定したと報じられていた。22年12月には、預金額を約100億ドル減らすことで、暗号資産分野で活動する顧客に対するエクスポージャーを減らす計画であると発表していた。
この決定は、11月のFTX崩壊、FDICやFRB、OCC(米通貨監督庁)による暗号資産分野におけるリスクに関する銀行への警告を受けたものだ。
財政難のシルバーゲートと共に、シグネチャー銀行は暗号資産に好意的な米国銀行の1つとして知られていた。
一方、コインベースは次のように述べている。
「伝統的銀行セクターで最近混乱が起きているが、コインベースは通常通りの運営を続けている。13日に再開されるUSDコイン(USDC)の交換を含め、コインベースのすべての顧客資金は引き続き安全でアクセス可能だ」
コインベースは11日、銀行が閉鎖される週末にUSDコインと米ドルとの交換を「一時的に停止」すると発表した。同社はこの動きについて、活動が活発化している間、「交換は、通常の銀行営業時間内に処理される銀行からの米ドル送金に依存している」と説明した上で、顧客資産は引き続き安全で、オンチェーン送金は可能であると主張していた。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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