バイナンス、IRIの10億ドルをBTC、ETH、BNBに交換へ

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 バイナンスが、IRI(インダストリー・リカバリー・イニシアチブ)の10億ドル相当のバイナンスUSD(BUSD)を、ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)、バイナンスコイン(BNB)といったネイティブ暗号資産(仮想通貨)に変換する計画を認めた。

 世界最大の暗号資産取引所であるバイナンスのチャンポン・ジャオCEO(最高経営責任者)は13日のツイートで、銀行とステーブルコインを巡る状況が進展する中、IRIファンドの残り10億ドルをビットコイン、バイナンスコイン、イーサリアムに変換する予定だと述べた。

 暗号資産界の大物である同氏は、その後のツイートで取引は成功したと語った。ブロックチェーンのデータによると、取引は5秒間で完了し、費用はわずか1.29ドルだった。「月曜の銀行営業時間前に銀行を通じて9億8000万ドルを動かすことを想像してみてほしい」と同氏は付け加えた。

 この動きは買い圧力に寄与し、上位暗号資産は上昇した。コインゲッコーのデータによると、ビットコイン、イーサリアム、バイナンスコインは全て、過去24時間で8%前後値上がりしている。

 バイナンスは22年11月、業界の再構築を支援するため業界再生ファンドを立ち上げると発表。当時、トロンの創始者であるジャスティン・サン氏は、トロン、フォビ・グローバル、ポロニエックスがこのイニシアチブをサポートしていると語っていた。

 バイナンスUSDのオーナーで発行者のパクソスが、SEC(米証券取引委員会)から提訴された直後、今回の動きが生じた。SECは2月、同社が投資家保護法に違反したと主張していた。パクソスは、バイナンスUSDの発行停止と「バイナンスとの関係解消」を発表した。

●米銀行の健全性に関する緊張、ステーブルコインのUSDコインに打撃

 週末にかけて米国の銀行業界を揺るがした銀行危機の中、この10億ドル相当のバイナンスUSDから主要暗号資産への変換が行われた。

 シリコンバレーの技術・グロース系新興企業への最も有名な貸し手の1社であるシリコンバレー銀行は10日、取り付け騒ぎに苦しんだ末に破綻した。その後、FDIC(連邦預金保険公社)が同行を管理し、シリコンバレー銀行の被保険預金を保有するサンタクララ預金保険国立銀行を設置した。

 このシリコンバレー銀行破綻の影響を最も受けたのはベンチャーキャピタル企業と技術系新興企業だが、大手暗号資産企業の一部も同行へのエクスポージャーを公表した。一例として、USDコイン(USDC)を発行するサークルは同行にUSDコインの準備金33億ドルを預けていた。

 当初はこのニュースによって出金と償還が相次ぎ、USDコインが1ドルのペッグ目標から乖離した。しかし、同コインは過去1日間で下落をほぼ回復し、記事執筆時点で1USDC=0.99ドル付近まで上昇している。

 注目すべきことに、現在の市況を理由に、バイナンスもUSDコインからバイナンスUSDへの自動変換を中断している。同プラットフォームは10日のツイートで、これは「変換をサポートするための負担増加と流入増加に特に関係している」と述べた。

 一方、ジャオ氏は、「法定通貨に裏付けられたステーブルコインにとって銀行はリスク」だと主張し、暗号資産に裏付けられたステーブルコインというアイデアを再び提案した。同氏は、ド・クォン氏のアイデアは正しかったが、実行に失敗したと語った。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/binance-suddenly-converts-1-billion-from-industry-recovery-initiative-bitcoin-ether-bnb-heres-why.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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