テラ創業者のド・クォン氏、テラ崩壊前に法律事務所へ数百万ドルを送金
テラフォーム・ラボの創業者ド・クォン氏が、テラ・エコシステム崩壊の直前に、韓国の法律事務所に数百万ドルを送金していた。
クォン氏は、自社のアルゴリズム型ステーブルコインであるテラUSD(UST)と姉妹暗号資産(仮想通貨)のルナ(LUNA)が崩壊する直前、韓国最大の法律事務所である金・張法律事務所の弁護士に90億ウォン(700万ドル)を送金していた。韓国メディアのKBSニュースが14日に伝えた。
ソウルの検察庁は17日にこの報道を認め、この暴露は「偽りではない」とした。
KBSはこの報道で、クォン氏による弁護士への送金は、自身の暗号資産帝国崩壊で法的問題に直面することを同氏が認識していたことを示していると推測した。
この報道によると、金・張法律事務所の弁護士は、クォン氏及びテラフォームの元CFO(最高財務責任者)に会うため、数日前にモンテネグロに向かったという。
金・張法律事務所はKBSニュースの報道に関する問い合わせに対し、「個々の案件に関する詳細は提供できない」とコメントした。
「私たちは法律顧問サービスを通常通り実施しており、サービス料金を合法的に受け取っている」
報道された通り、モンテネグロのフィリップ・アジッチ内務大臣は3月にツイッターを通じて、ド・クォン氏と思われる人物をポドゴリツァ空港で逮捕したと発表した。
その後、このモンテネグロで逮捕された容疑者の指紋とKNPA(韓国警察庁)の保有する情報が一致し、この人物がクォン氏だと確かめられた、と韓国の警察が発表した。
ド・クォン氏は、シンガポールに拠点を置くテラフォーム・ラボの共同創業者兼CEO(最高経営責任者)だ。同社は破綻したステーブルコインのテラUSDと暗号資産のルナを運営していた。
テラUSDは、1ドルへのペッグを維持するために、姉妹トークンのルナを含むトレーダーへのインセンティブとアルゴリズムを組み合わせていた。しかし、このステーブルコインは、暗号資産市場を襲った相次ぐ急落を受け、22年5月にドルとのペッグを失った。
米国の検察は、テラ・エコシステムの崩壊で投資家が少なくとも400億ドルを失ったと推定している。
●米韓両国、クォン氏の引き渡しを要請
モンテネグロ当局は、クォン氏逮捕後、米韓両国が同氏の引き渡しを要求していると公表した。
同局は、クォン氏の運命は裁判官の手に委ねられるとした。
モンテネグロのマルコ・コヴァチ法務大臣は、容疑者の「国籍、要請の順序、犯罪を犯した場所、罪の重さが考慮される」と述べた。
ド・クォン氏は4月にニューヨークで、証券詐欺、電信詐欺、商品詐欺、共謀各2件を含む、8件の詐欺で起訴されている。
米国の検察は、テラ・ブロックチェーンが採用されている度合いについて、クォン氏がテレビのインタビューで誤解を招く虚偽の発言を行ったと主張している。
同様に、ソウルの裁判所は22年9月中旬、テラ・エコシステムへの犯罪捜査を経て、クォン氏の逮捕状を発行した。韓国は、資本市場法違反と詐欺の罪でクォン氏を起訴している。
一方、モンテネグロの検察は、クォン氏とその側近を公文書偽造の罪で起訴するとしており、最大6カ月間の懲役刑となる可能性がある。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ