香港の裁判所、暗号資産を財産と認める判決下す

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 香港高等法院は、破たんした暗号資産(仮想通貨)取引所ゲートコインに関する裁判で、暗号資産を財産と認める画期的な判決を下した。

 法律事務所ホーガン・ロヴェルズが発表した判決分析によると、この裁判で裁判長を務めたリンダ・チャン判事は、暗号資産には財産属性があると述べた。

 チャン判事は、香港は英米法系国と同様に、「財産」を包括的に「広い意味を持つことを意図するもの」と定義していると説明。

 「他の英米法系国と同様に、われわれの『財産』の定義は包括的であり、広い意味を持つことが意図されている」

 同法律事務所によると、今回の判決は香港の破産実務家にデジタル資産に関する明確な指針を示すものである。

 また、チャン判事の判決は、暗号資産が法的に信託の対象となることができるという可能性も示唆しているという。

 「暗号資産の保有が株式などの無形資産と同様の『財産』に該当することが確認されたため、香港は他の英米法系国と水準を合わせることになる」とホーガン・ウヴェルズは説明している。

 今回の判決は、15年1月から4年後に閉鎖するまで香港で運営していたゲートコインに関する裁判で下された。

 ゲートコインは19年、決済サービスプロバイダーとの問題により失われた資金を回収することができず、業務を停止して清算を行うよう命令を受けた。

 19年3月の事業閉鎖後、ゲートコインの清算人は、同取引所が保有している暗号資産が顧客のために信託されているものであるか、あるいは一般債権者が回収できるようにするべきか裁判所に指示を求めていた。

 コーネル大学の定義によると、信託とは実際に法的所有権を持つ別の当事者が保有する財産の授益的教授に対する、衡平法上強制可能な権利である。

 ゲートコインの裁判では、清算の際に特定の顧客の利益のために保有される暗号資産は、返還されるまでは取引所が保管と管理の責任を負う受託者的な立場に置かれている。

 ゲートコインは22年10月時点、暗号資産で1億4000万香港ドル(1780万ドル)を保有していた。

●香港、他国に続き暗号資産を財産と認める

 香港の他にも、他の国々は過去に暗号資産を法的目的のための財産として認めている。

 例えば米国では、米内国歳入庁は暗号資産を税務上の財産として認識している。つまり、財産取引に適用される原則が暗号資産を使った取引にも適用されるということになる。

 中国本土でも同様の判決があり、杭州インターネット裁判所は19年、ビットコイン(BTC)を法的にデジタル財産として認めた。

 さらに、英国の政府出資法律委員会は、イングランドとウェールズの既存の法律に基づき、暗号資産を新たな種類の財産として分類できると報告している。

 香港が暗号資産により友好的な姿勢を取ることで世界の暗号資産ハブとしての地位を取り戻そうとしている中で、今回の判決が下されたことも注目に値する。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/hong-kong-court-recognizes-cryptocurrencies-as-property-landmark-ruling-what-happens-next.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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