ボイジャーデジタル、FTXとバイナンスUSの買収失敗受け清算と閉鎖を発表
破たんした暗号資産(仮想通貨)貸出企業ボイジャーデジタルは、FTXとバイナンスUSへの売却交渉が失敗に終わった後、資産を自己清算し事業を閉鎖する計画を発表した。
ボイジャーデジタルの弁護士は5日の提出書類で、ボイジャーの顧客は保有暗号資産の36%を回収することができると説明。バイナンスUSの買収計画が成立していた場合の推定回収率72-73%よりも少ない割合である。
しかし、書類によると、破たんした暗号資産取引企業アラメダ・リサーチがボイジャーから4億4600万ドルの資産を回収できなかった場合、この回収率は上昇する可能性があるとのこと。
これとは別に、ボイジャーの弁護士は訴訟費用、管財費用、その他保留金のため、2億5960万ドルを確保している。
ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)など67銘柄のいずれかを同社プラットフォームに保有する顧客は、前述の割合で資金を直接引き出すことが可能になる。
しかし、同社で保有される暗号資産のうち、引き出しできないものは清算され、顧客に返却される予定だ。これにはアルゴランド(ALGO)、セロ(CELO)、アバランチ(AVAX)などの主要暗号資産も含まれる。
ボイジャーはまた、元顧客がまもなく何らかの形で払い戻しを受けることができるとも説明している。「最初の配布を向こう数週間で開始できればと思っている」と同社はツイッターで述べた。
ボイジャーの弁護士によると、手続き完了後は10日間の異議申し立て期間が設けられるという。
計画に対する異議がある場合、問題は公聴会にかけられ、裁判所がその論拠を検討することになる。異議がなければ、ボイジャーは計画を迅速に進める予定だ。
とはいえ、ボイジャーの顧客の回収率は非常に低い。これと比較して、また別の破たんした暗号資産プラットフォームであるセルシウスの債権者は、保有資産の70%を取り戻すことができると推定されている。
●一筋縄ではいかないボイジャーの清算
ボイジャーは22年、破たんした暗号資産ヘッジファンド3AC(スリー・アローズ・キャピタル)に巨額の融資を行っていたことを明らかにして以降、投資家に資産を返還する方法を模索してきた。
最初、FTXがボイジャーの資産を引き継ぐ承認を破綻裁判所から得たが、同社はその直後に破たんしてしまった。
その後、バイナンスが手を挙げ、10億ドルでの買収を提案。
しかし、同社は25日、米国での「敵意的な」規制環境を理由に買収を取りやめた。バイナンスUSは当時、ツイッターで次のように述べていた。
「われわれがこのプロセスを通じて望んでいたことは、ボイジャーの顧客が保有する暗号資産にアクセスできるようにすることだったが、米国における敵意的で不明瞭な規制環境は、米国のビジネスコミュニティ全体に影響を与える予測不可能な運営環境をもたらした」
この決定が下される前、SEC(証券取引委員会)やニューヨークの規制当局など米規制当局がこの買収計画に異議を申し立てていた。
SECは、ボイジャーの買収計画は未登録証券の提供・販売に関する法律に違反する可能性があると主張し、ニューヨークの最高金融規制当局はボイジャーが「違法かつ無許可で州内で暗号資産ビジネスを運営した」と指摘した。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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