バイナンス、BTC出金一時停止中に44億ドル相当のBTCを移動

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 バイナンスが、アクセス集中を理由にビットコイン(BTC)の出金を中断する中、週末にかけて自社暗号資産(仮想通貨)ウォレット間で大量のビットコインを移動した。

 クリプトクオントの調査責任者であるフリオ・モレノ氏のオンチェーン・データ分析によると、バイナンスは7日、自社デジタル資産ウォレット上で11万7000枚と4万枚の2度に分けて約44億ドル相当のビットコインを移動した。

「実際には、これらのビットコインは新たに作成されたバイナンスが有するチェンジ・アドレスに送られた」とモレノ氏は記した。

 バイナンスは8日早朝、この動きについて、「ビットコインのアドレス調整のため、バイナンスのホットウォレットとコールドウォレットとの間で」ビットコインを移動したとツイートした。

 コールドウォレットとは暗号資産ウォレットの1種で、暗号資産の秘密鍵をオフライン、通常は物理デバイス上で安全に保管するものだ。

 コールドウォレットはホットウォレットと比べ、ハッキングの可能性が低く、デジタル資産を失いにくいため、より大きなセキュリティ上の強みがある。

●バイナンス、ネットワーク輻輳を理由にビットコイン出金を中断

 また、バイナンスは、ビットコイン・ブロックチェーンの輻輳を理由に、週末にかけてビットコイン出金を2度に渡って一時停止した。

 より具体的には、世界最大の暗号資産取引所である同社は、7日夜に数時間、さらに8日早朝にもビットコイン出金を中断した。

 同プラットフォームは、ガス手数料が少ないためにビットコイン・ブロックチェーンに追加されない保留中のトランザクションが過剰に生じたことが、この問題の原因だと述べた。

 「私たちの設定した手数料は、(ビットコイン)ネットワークの最近のガス手数料急騰を予期していなかった」とバイナンスはツイートした。

 「マイニング・プールにピックアップしてもらうために、保留中のビットコイン出金トランザクションをより高い手数料に置き換えている」

 それでも、同取引所は目下ビットコイン出金を再開している。

 「今後の再発防止のために、手数料を調整した。引き続きオンチェーン活動を監視し、必要に応じて適宜調整する」とバイナンスはツイートした。

 「当チームは、こうした状況に役立つ、ビットコイン・ライトニング・ネットワーク出金の実現にも取り組んでいる」

 現時点で、未承認のトランザクション数はまだ40万件を超えており、これは記録的な水準に近い。

 今回の手数料急騰は、ビットコイン・ネットワーク上でミントされるNFT(非代替性トークン)に相当する、オーディナル・インスクリプションの普及を一因としている可能性がある。

 注目すべきことに、JPモルガンチェースによるファースト・リパブリック買収後、ビットコインは4月30日に1日当たりのトランザクション数が過去最高を記録した。

 暗号資産統計プラットフォームのビットインフォチャーツのデータによると、ビットコインの1日当たりのトランザクション数は4月30日に56万8300件超に急増し、17年の強気相場の最中の最高値を7万8000件近く上回った。

 分析サイトのコインマーケットキャップによると、バイナンスの24時間取引量は76億ドルを超え、第2位の暗号資産取引所であるコインベースの8倍超となった。

 一方、ビットコインは現在1BTC=2万7913.64ドルで取引されており、過去24時間で3.4%下落している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/binance-shifts-44-billion-bitcoin-as-crypto-exchange-temporarily-pauses-btc-withdrawals-whats-going-on.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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