中国企業iFlytek、「10月までにChatGPTを凌駕」と主張

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●生成言語モデル「SparkDesk」を発表

中国を拠点とする情報技術企業iFlytekは6日、AI言語モデル「ChatGPT」に対抗できるような生成言語モデル「SparkDesk」のデモンストレーションを行った。今年10月までに、OpenAIが提供するChatGPTの性能を超えることができると主張している。

iFlytekは、「SparkDesk」による物語生成も実演して見せた。「西遊記」の孫悟空と、ウルトラマン・シリーズの主人公ウルトラマンが登場するストーリーを作成した形だ。「SparkDesk」は即座にストーリーを作成、再生成されるたびに違う物語を披露した。

iFlytekのLiu Qingfeng会長は、こうして一つのリクエストに対して様々な結果が得られることも、同社の生成言語モデルの重要な特徴だと説明している。

その他にも「SparkDesk」は、電子メールやスケジュールの作成、プレスリリースの下書き、英語の文法エラーの修正など、さまざまなタスクを実行できる。

また、学生と会話できるバーチャルティーチャーや、安全な運転支援など、教育、オフィス、自動車、従業員デジタル化など、様々な分野でも応用事例を探っているところだ。

Qingfeng氏は、「SparkDesk」はテキスト生成、質問と回答、数学の能力という3つの分野ですでにChatGPTを上回っていると主張している。さらに、今年の10月末までには、他の分野でもChatGPTを凌駕するとの自信を示した。

Qingfeng氏は、一般的な人工知能に必要な能力は主に7つだと分析している。すなわち、「テキスト生成」、「言語理解」、「質問と回答」、「論理的推論」、「数学的能力」、「コーディング能力」、「マルチモーダル能力」である。

なお、このうちマルチモーダル能力とは、画像や音声、テキストなど様々なデータのモードを関連付けて処理できる能力のことだ。

iFlytekは、特に音声認識と自然言語処理に取り組んでおり、消費者、企業、政府機関にサービスを提供している企業だ。中国政府の技術高度化プロジェクト「863計画」でも、情報処理分野の策定を委任されている。

中国では、iFlytekの他に検索エンジンBaidu(百度)やEコマース大手アリババやその他の企業がChatGPTのようなサービスを開発しているところだ。

●マスク氏はAIの危険性訴える

起業家のイーロン・マスク氏は4月、「人類の安全にとって最善の道を提供することを目指す」という人工知能チャットボット「TruthGPT」を立ち上げると明かしている。

マスク氏は以前、OpenAIの開発に資金提供しているが、現在はMicrosoftが所有する商業製品になってしまったと指摘。AI技術が適切に管理されなければ、精巧な文章による世論誘導など人類全体に対して核兵器と同じくらい危険だと論じているところだ。

なお、欧州ではイタリアのデータ保護当局が3月、OpenAIによるデータ収集がEUの一般データ保護規則(GDPR)に違反している疑いがあるとしてChatGPT製品を一時的に禁止している。

その後、欧州データ保護委員会(EDPB)もChatGPTを監視するための専用タスクフォースの立ち上げを発表した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://coinpost.jp/?p=458266

CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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