米暗号資産企業、規制への懸念でバミューダに移転

168260595_m.jpg

 米国の暗号資産(仮想通貨)の規制が不透明なことから、米国を離脱する企業が増えており、いくつかの大手企業はバミューダに拠点を移している。しかし、一部の専門家らは、米国での問題が解決されていないため、これは短期的な解決策であると警告している。

 大手暗号資産企業の1つは最近、バミューダ支社について明らかにした。4月、コインベースはBMA(バミューダ通貨庁)からデジタル資産ビジネス法に基づきライセンスを取得した。

 同社は、「バミューダは包括的なデジタル資産規制を可決した最初の金融センターの1つであり、その規制環境は、高い水準の厳格さ、透明性、コンプライアンス、協力で長く知られている」と述べていた。

 また、バミューダを選んだ理由として、「非常に尊敬され、経験豊富な金融規制当局」であり、世界中の規制当局と密接な関係をもっていることを挙げている。

 コインデスクの報道によると、バミューダのE・デイビット・バート首相は米テキサス州で開催されたコンセンサス2023で、「コインベースが認識したことは、それは多くの会社が認識していることだが、私たちは優れた規制環境を持っているということだ」と述べた。

 「それは規制の頂上決戦であり、バミューダはそれを行うことができる場所であることを証明した」

 注目すべきは、コインベースが米SEC(証券取引委員会)との法廷闘争に直面している中でこの計画を発表したということ。SECは3月、通常強制措置に講じる前に通達するいわゆる「ウェルズ通知」を同社に発行した。

 コインベースは4月末、必要な明確さを求めてSECを提訴したと発表した。

 このコインベースの動きは他社にも影響を与える可能性がある。バミューダは「間違いなく、移転を選択する企業の間でホットスポットになる。コインベースのように試しに移転してみることもできる」と法律事務所Otterbourgの企業部門責任者フィル・バーグ氏は述べている。

●米国の「懲罰」によって他の場所が魅力的に

 バミューダは18年、デジタル資産ビジネスを規制するための法律として「デジタル資産ビジネス法」を制定。デジタル資産の発行、販売、換金、およびデジタル資産を利用した取引所や決済サービスプロバイダー事業の運営に関するルールを定めたものである。

 バミューダはコインベースの他にも、USDコイン発行企業のサークル、ブロックとその子会社キャッシュ・アップにもライセンスを付与している。

 バーグ氏は、「暗号資産の概念そのものは当初、分散型で信託機関がないというものであったが、これらすべての規制を称賛しているのは少々皮肉なことだ」と語った。

 「しかし、執行による規制と一種のルール作りの拒否、法整備の遅れなど、私たちが米国の規制当局によって受けた罰は、規制が明確な地域をかなり魅力的にしている」

 しかし、ビットスタンプUSAの最高コンプライアンス責任者であるトーマス・フック氏は、バミューダやバハマといった場所は規制問題への対応として、魅力的な短期的解決策となるかもしれないと指摘している。

 しかし、同氏は次のように警告した。

 「海外でのライセンス取得は、グローバルな観点からはビジネス上のメリットがあるが、米国で顧客にサービスを提供するための長期的な解決策ではない。米国市場でサービスを提供したいのであれば、米国の規制当局と協力する必要がある」

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/us-crypto-firms-migrate-bermuda-amid-regulatory-concerns.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ