G7財務相・中銀総裁会議、CBDC開発と仮想通貨の国際的な規制整備を奨励

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●共同声明を採択

11日より新潟で開催されていた主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は13日に共同声明を採択して閉幕した。共同声明では、金融デジタル化に対処するための政策審議を継続する姿勢を表明。グローバルな決済システムにおける中央銀行デジタル通貨(CBDC)の果たす役割の重要性や、暗号資産(仮想通貨)の国際的な規制整備と監視を奨励する意向を強調した。

声明は、CBDCが「信頼できる、安定した、透明性の高いグローバルな決済システム」において大きな役割を果たしうると主張。その中で、2021年10月に合意された「リテールCBDCに関する公共政策上の原則」に言及し、「いかなるCBDCも、とりわけ透明性、法の支配、健全な経済ガバナンス、サイバーセキュリティ、データ保護に基づくべきである」と再確認した。

また、国際通貨基金(IMF)が、関連する国際機関や各国当局と連携して取り組んでいる「CBDCハンドブック」の編纂作業について「歓迎する」とともに、2023年10月に開催される世界銀行・IMF年次総会までに公表予定の「最初の一連の成果物に期待する」と述べた。

●規制と監視体制の整備

声明は「責任あるイノベーションを支援しつつ、暗号資産の活動及び市場がもたらす金融安定及び健全性のリスクに対処する」ために、「効果的なモニタリング、規制及び監視」が極めて重要であると強調。今年7月までに発表される金融安定化理事会(FSB)の勧告に従い、規制と監督体制を導入すると以下のように表明した。

"我々は、FSBの勧告及びSSBs(基準設定主体)により確立された基準及びガイダンスと整合的な形で、暗号資産の活動及び市場並びにステーブルコインに関する効果的な規制監督上の枠組みを実施することにコミットする。"

また、勧告の実施については、FSBとSSBsが「一貫して効果的でタイムリー」かつ「グローバル」に推進することを奨励するとした。

FSBは今年2月、分散型金融(DeFi)が金融システムの安定性にもたらすリスクに関するレポートを発表。DeFiの脆弱性に対応していくための方針を示している。声明は、分散型金融(DeFi)及び仮想通貨仲介業者に関して、FSBおよびSSBsが「フォローアップ作業」を実施することを支持すると述べた。

――FATFのイニシアチブを支持

声明では「拡散金融のための暗号資産の窃取、ランサムウェアによる攻撃、テロ資金供与及び制裁の回避」など、「特に国家主体による不正な活動による脅威の高まり」を踏まえ、「トラベル・ルール」を含む金融活動作業部会(FATF)によるイニシアチブを支持すると表明した。

日経新聞の報道によると、2017年以降、北朝鮮による仮想通貨ハッキングでは、日本が被害総額の約3割を占め、世界最多の980億円相当が不正に取得されたことが明らかになった。

さらに、G7は「DeFi及び個人間で行われる取引(P2P取引)から生じるリスク」についても、FATFの作業を支持するとしている。仮想通貨の個人間取引については以前から、規制の実効性をどれだけ高められるかが課題とされていたが、G7の要請を受け、FATFが具体的な規制を検討していくことになる。

(イメージ写真提供:123RF)

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CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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