EU諸国、暗号資産規制規則のMiCAを正式に承認

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 EU(欧州連合)諸国は5月16日、暗号資産(仮想通貨)を規制する世界初の包括的な規則群であるMiCA(暗号資産市場)規制を最終的に承認した。

 この決定により、英国や米国などの国々にも後に続くよう圧力が加わることになる。

 24年に施行される見込みのこの規則は、加盟27カ国内での暗号資産、トークン化資産、そしてステーブルコインの発行、取引、保管を希望する企業に対し、ライセンスの取得を義務付けるものだ。

 EU議長国であるスウェーデンのエリサベト・スヴァントソン財務相は、「最近の出来事によって、これらの資産に投資する欧州の国民を保護し、マネーロンダリングやテロ資金供与に暗号資産業界が悪用されることを防ぐ規制の喫緊の必要性が裏付けられた」と述べた。

●MiCAの広い範囲

 MiCA規則は、マネーロンダリング対策規則の遵守を含む、発行者やサービス提供業者向けの包括的枠組みを確立し、透明性を高めるものだ。

 この規制枠組みは、投資家を保護し金融安定性を保全しつつ、暗号資産分野の魅力とイノベーションを発展させることを狙っている。

 この規制の対象範囲は、ユーティリティ・トークン、資産参照トークン、ステーブルコインを含む、様々なデジタル資産に及ぶ。

 取引場所や暗号資産を保有するウォレットなどのサービスも対象とされている。

 注目すべきことに、この規則は、暗号資産分野における市場濫用、インサイダー取引、操縦行為も対象としている。

●施行への道のり

 MiCAがEU法になる長いプロセスの最終段階では、欧州連合官報で法案が公表される必要がある。

 MiCAは1年以内に発効する予定であるため、この規制が法律になるのは24年半ばになる予定だ。

 この法律によって、規制要件と運営手続について欧州全域で単一の市場環境が形成されるため、暗号資産サービス提供業者や支持者は歓迎している。

 米国のデリバティブ規制当局であるCFTC(米商品先物取引委員会)のヘスター・パース委員の言葉を借りると、米国などの今のところ包括的な暗号資産規制を有しない国々は「ちょっとした砂漠をさまよっている」状態であり、EUの先駆的取り組みの重要性がうかがわれる。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/eu-countries-officially-approve-mica-crypto-regulation-rules-heres-what-you-need-know.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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