米上院議員、銀行破たんを暗号資産のせいにしていると銀行幹部らを非難

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 米国上院議員は、破たんした銀行の経営陣が、自らの不適切な経営管理からデジタル資産企業に責任を転嫁しようとしていると非難した。

 シンシア・ルミス上院議員は16日の上院銀行委員会公聴会で、破たんしたシグネチャー銀行元会長のスコット・シェイ氏が銀行破たんに至った原因について発言した際に非難を浴びせた。

 「あなたは証言の中で10回もデジタル資産に言及し、デジタル資産がシグネチャー銀行破たんの要因であることを暗に示している」とルミス氏は主張。

 「デジタル資産を扱う特定の預金者への責任転嫁が多くあったように思える」

 シェイ氏は証言の中で、シグネチャー銀行は18年にデジタル資産分野の事業者から預金を受け入れ始めたが、業界が不安定な状況に陥っていた22年にデジタル資産の預かりを「大幅に」減らしたと説明。

 「デジタル資産分野と強いつながりを持つ」ある貸し手が倒産し、その後160億ドルがシグネチャー銀行から引き出された後、規制当局が同行を管理下に入れたと述べた。

 しかし、ルミス議員は、160億ドルの記録的な流出は、暗号資産(仮想通貨)顧客やその他の顧客がシグネチャー銀行から資金を引き出したためであり、暗号資産が原因ではないと指摘。

 「デジタル資産を扱う特定の預金者と規制当局に多くの責任転嫁があったようだが、自分の責任は何も認めていない」とルミス議員は述べた。

 これに対してシェイ氏は、銀行の閉鎖の主な原因としてデジタル資産を非難していることについて否定。「デジタル資産が特定の原因であるかどうかについては言っていない」と述べた。

 報じられている通り、3月第1週に3つの米国銀行が経営破たんした。

 FTXの破たんをきっかけに数カ月間苦境に立たされていた、暗号資産フレンドリーな銀行であるシルバーゲート銀行は、3月8日に清算計画を発表。

 シルバーゲート銀行の破たんからわずか2日後、シリコンバレーのテクノロジー企業や成長新興企業への貸し手として高い人気を集めていたシリコンバレー銀行で取り付け騒ぎが起き、FDIC(米国連邦預金保険公社)によって閉鎖された。

 その直後、連邦規制当局がさらなる影響拡大を懸念してシグネチャー銀行を閉鎖した。

●シグネチャー銀行幹部、銀行は良好な状態にあったと主張

 シグネチャー銀行幹部らは公聴会で、引き出しが急増していたにもかかわらず、銀行の状態は良好であり、閉鎖する必要はなかったと主張した。

 シェイ氏は、シグネチャー銀行は前進する用意があったと述べ、銀行には顧客の需要に対応できる十分な流動性があったと繰り返し述べた。

 「シグネチャー銀行はあの日起きた経済的大変動に耐えることができると確認していた。銀行には十分な資本があった。支払い能力があった」

 同様に、同行の前社長であるエリック・ハウエル氏も、シグネチャー銀行には「十分な資本と支払い能力があり、今回の引き出しや今後の引き出しに耐えることができる十分な借入能力があった」と述べている。

 一方、一部の暗号資産コミュニティでは、シグネチャー銀行の閉鎖は米国政府によるデジタル資産への攻撃であると考えられている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/bank-execs-face-senate-ire-for-blaming-bank-collapse-crypto-while-amassing-millions.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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