リップル、CBDCプラットフォームを強化

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リップルがCBDC(中央銀行デジタル通貨)ソリューションとCBDCのためのプライベート台帳を立ち上げてから1年が経った。同社はその短期間で、国際デジタル通貨開発の促進支援において中心的な役割を担うようになった。CBDCやステーブルコインなどのデジタル通貨の利点には、取引スピードの向上、コスト削減、決済時間の短縮などがある。さらにはリップルのソリューションを用いることで、これらの利点に加え、従来の決済方法や一部の暗号資産(仮想通貨)と比べてエネルギー使用量を削減することも可能となる。

 デジタル通貨が持つもう1つの重要な利点は、世界中の「銀行口座を持たない人々」に、高額な手数料や信用力を必要としない金融サービスへのアクセスを提供することができるということ。IMF(国際通貨基金)のワーキンググループ議事録「CBDCと金融包摂」によると、「発展途上国におけるCBDCは、(先進国とは異なり)銀行口座を持たない多くの人々に口座を与え、融資全体を増やし銀行のディスインターミディエーションリスクを低減できる金融包摂を拡大する可能性を秘めている」という。

 リップルは現在、20カ国以上とCBDC計画に取り組んでいる。この取り組みに基づき、リップルはCBDCプラットフォームを強化し、新たなCBDCプラットフォームを使用して通貨計画やプロトタイプをカスタマイズする中央銀行、金融機関、政府、商業銀行のニーズに応えた。

 パラオ共和国はリップルと協力し、市民のニーズに合わせたデジタル通貨を開発している。同国のスランゲル・ウィップス・ジュニア大統領は、「リップルと提携して我が国のデジタル通貨を開発することは、金融イノベーションとテクノロジーをリードするという我々のコミットメントの一部であり、パラオ市民により良い金融アクセスを提供することになる」と述べている。

 モンテネグロ中央銀行は最近、モンテネグロのCBDC開発でリップルと協力することを選んだ。モンテネグロ中銀のラドイェ・ズギッチ総裁は、「モンテネグロ中央銀行は、国内における近代的な銀行トレンドに追随することに尽力する中央銀行として、効率的な金融システムを積極的に維持しようとしている。私たちは、CBDCあるいはステーブルコイン実証実験プログラムにおいて、リップルと協力できることを楽しみにしている。モンテネグロ中央銀行はこのプログラムを通じて、モンテネグロ政府およびモンテネグロの学術界と協力し、ブロックチェーン技術の主な機能と可能性をテストするための実用的なデジタル通貨または安全な通貨ソリューションを開発する予定だ。さらに、電子決済手段の利用可能性、セキュリティ、効率性、規則の順守、そして最も重要なエンドユーザーの権利とプライバシーの保護に関して、CBDCまたは国家ステーブルコインがもたらし得る利点とリスクを分析する」

●イノベーションの促進:国のニーズにデジタル通貨を適応させる

 リップルのソリューションの主な差別化要因は、中央銀行や政府がデジタル通貨生産のライフサイクルの各段階を通じて、それぞれの通貨計画を適応させることができることだ。特定の国の目的に沿うようにCBDC計画を提供するには、この種の柔軟なソリューションが必要となってくる。

 安全性の高いリップルのCBDCプラットフォームには、関係、取引、流通チャネルに基づきデジタル通貨生産の段階をカスタマイズできる能力が備わっている。

 CBDCプラットフォームの構成要素は次の通り。

・CBDC発行者:発行者(中央銀行、通貨当局、商業銀行など)は、XRP台帳に内蔵されたマルチサイン機能を活用し、鋳造、配布、償還、焼却まで、法定通貨ベースのデジタル通貨のライフサイクル全体を高い安全性で管理できるようになる。

・通貨オペレーター:デジタル通貨を大量に保有する参加者(商業銀行や非銀行金融機関)が、機関間の決済・流通機能を管理・参加できるようにする。オペレーターは、参加者(商業銀行など)がデジタル通貨の保有を管理できるようにする。

・エンドユーザーウォレット:デジタル通貨を保有する企業や個人ユーザーは、ウォレットを利用して資金管理、送受信、商品やサービスの支払いを行う。

・台帳:CBDCは、台帳を使用して決済と機能を記録・提供する。この台帳は、中央銀行や金融当局が求めるプログラマビリティと強力な管理によって、マネーイノベーションを可能にする

 フューチュラム・リサーチのバイスプレジデント兼プラクティスリードのスティーブ・ディケンズ氏は「CBDCは、世界中の銀行口座を持たない人々が摩擦のない銀行サービスへのアクセスを獲得するための特異な機会を与えてくれる。20以上の政府や中央銀行が、CBDCプロジェクトについてリップルに相談しており、今回のCBDCプラットフォームの機能強化の発表は、世界各国でさらなるイノベーション、採用、変革的なユースケースを実現するために重要なものである」と述べた。

 リップルのデジタル通貨に関する専門分野としては、各中央銀行や政府が独自の金融エコシステムに対応したソリューションを提供するための相談サービスやパートナーシップもある。実際、同社は最近、ジュニパーリサーチ社のCBDCおよびステーブルコインに関する競合他社リーダーボードで1位となるなど、この分野のリーダーとしての地位を築いている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://ripple.com/insights/ripple-enhances-cbdc-platform/

This story originally appeared on Ripple Insights.

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