香港とＵＡＥの中央銀行、暗号資産規制で協力

2023/06/01 11:14 cryptonews

　中央銀行のＣＢＵＡＥ（アラブ首長国連邦中央銀行）と通貨当局のＨＫＭＡ（香港金融管理局）が５月２９日に暗号資産（仮想通貨）規制での協力に合意し、香港とＵＡＥ（アラブ首長国連邦）の連携が強化された。

　ＨＫＭＡの３０日の報道発表によると、両当局は２９日、「両法域における金融サービス部門の連携強化」のためにアブダビで会議を行った。

　金融インフラ、両地域の金融市場の接続性、そして「暗号資産規制」などが議論された。

　両当局は、各イノベーション・ハブ間での「フィンテック共同開発イニシアチブや知識共有の取り組み」についても意見を交わした。

　ＣＢＵＡＥとＨＫＭＡは現在、各地域の銀行部門の支援を受け、これらのイニシアチブに基づく共同作業部会を結成している。

　ＣＢＵＡＥのＨ．Ｅ．カレド・モハメド・バラマ総裁は声明の中で、この件について「ＨＫＭＡとの長期的な関係」を期待していると述べた。

　「この日の協議では、金融市場のインフラ開発や、デジタル化及び技術的進歩の成長に関する相互の機会を含むいくつかの重要な領域で、協力の強化が検討された」

　両当局は会議後に、アブダビ・イスラミック銀行、ＨＳＢＣ、中国銀行を含む両地域の主要な銀行とセミナーを開いた。

　このセミナーでは、資本市場の機会や金融市場のインフラが議論されたほか、「より優れた国際決済を促進するための協定」も取り上げられた。

　中央銀行はしばしば、暗号資産を、より迅速で資金効率の良い国際送金手段を提供すると評価している。

　例えば、２２年に商業決済での暗号資産利用を禁止する法案に大統領が署名したロシアは、ロシア経済への「悪影響」の可能性にもかかわらず、国際取引での暗号資産利用には前向きなままだ。

●暗号資産に関する香港の計画

　しかし、暗号資産に関する香港の計画は、国際取引に留まらない。同地域の陳茂波財政長官は４月、新興企業投資家を惹きつける完全に規制されたＤｅＦｉ（分散型金融）及びウェブ３の中心地になることを目指すと語った。

　同地域最大のオンラインバンクは４月、暗号資産・法定通貨間の両替を円滑化すると発表した。暗号資産取引所のフォビは３０日、一般及び機関顧客向けの暗号資産取引サービスを今週から香港で開始すると語った。

　一方、暗号資産分野のリーダーらは、米国よりもブロックチェーン業界に好意的な環境を提供しているとして、ＵＡＥを称賛し始めている。

　ＨＫＭＡの余偉文総裁は、「香港とＵＡＥは、多数の補完的な強みと相互利益を有する２つの金融的中心地であり、この２つの地域の市場参加者が協力して接続性を高める余地は大きい」と述べた。

（イメージ写真提供：１２３ＲＦ）

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