SECの提訴受けバイナンスから7億ドルのETH流出、3月の暗号資産危機以降で最大

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 世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスでは、SEC(証券取引委員会)による提訴を受け、5日にイーサリアム(ETH)ネットワークだけで7億ドル以上が流出した。

 オンチェーン分析企業ナンセンが6日、この流出に関するニュースをツイッターで共有。過去1時間で見ても純流出は引き続きマイナスとなっていると指摘した。

 ナンセンのデータによると、過去24時間におけるイーサリアムネットワーク(ETHとERC-20トークンおよびステーブルコイン)での純流出は記事執筆時で7億7860万ドルとなっている。

 SECが実際にターゲットとしている米国法人のバイナンスUSだけで見ると、同時刻におけるイーサリアムでの純流出は1300万ドルであったという。

●ビットコイン流出額

 一方、コイングラスのデータによると、ビットコイン(BTC)ネットワークでの過去24時間流出額は記事執筆時1万3484BTC(同日の価格で約3億4700万ドル相当)だった。

 流出後、バイナンスのビットコイン残高は54万5491BTCとなり、全暗号資産取引所の中で最も多くなっている。

 このデータが意味するのは、過去24時間にビットコインとイーサリアムネットワークだけで10億ドル以上相当の暗号資産がバイナンスから流出したということだ。

●バイナンスにまだ大きな影響はない

 短期的には深刻な状況であるにもかかわらず、複数のオンチェーンアナリストによると、これまでに確認された流出はバイナンスにとって重大な長期的問題を引き起こすものではないという。

 人気ビットコインオンチェーンアナリストおよび暗号資産分析企業リフレキシビティ・リサーチの共同創設者であるウィル・クレメンテ氏は、「今回のニュースの後、バイナンスから重大なビットコイン流出はまだ確認されていない。バイナンスのビットコイン残高の1.5%減少に相当する1万BTCだけだ」と指摘。

 同氏はまた、22年末以降のバイナンスのビットコイン残高の推移を表すグラフを共有した。

 同様に、オンチェーン分析プラットフォームCryptoQuant.comのCEO(最高経営責任者)であるオンチェーンアナリストのキ・ヨンジュ氏は、長期チャートで見た場合、流出がいかに取るに足らないものであるかということを説明している。

 バイナンスは5日、SECによる提訴を受けたコメントの中で、顧客資金は取引所で安全に保管されていると表明した。

 同社は「バイナンスとバイナンスUSを含むバイナンス関連会社にあるすべての顧客資金は安全であり、これに反するいかなる申し立てにも積極的に対抗する」とコメントした。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/binance-sees-700-million-ethereum-outflows-amid-sec-charges-highest-since-march-crypto-crisis.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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