ロシアのロスバンク、クロスボーダー暗号資産決済実証実験を開始―政府の暗号資産計画に銀行勢も参加
ロシアのメガバンクであるロスバンクは、「クロスボーダー暗号資産(仮想通貨)決済」実証実験を開始したと発表した。
RBCによると、ロスバンクは「暗号資産での」クロスボーダー決済サービスを開始した「最初の大手」ロシア銀行となった。
同行はB-Cryptoという国内暗号資産企業と連携し、この取り組みを行っている。
B-Cryptoは、輸入業者に代わって「海外で暗号資産を購入」し、「海外のサプライヤーに(コインを)送金」するという「仲介者」としての役割を果たす。
ロスバンクは、「すでに企業や個人顧客と試験的な取引を行っている」と述べている。
B-Cryptoは、「デジタル通貨での国際間決済の実行」を専門としている。
企業は、KYC(顧客確認)プロトコルを完了すれば、試験的プラットフォームを使って「輸入商品やサービスを暗号資産で支払う」ことができるという。
また、このプラットフォームでは、販売業者はロシアの買い手に法定通貨ではなく暗号資産建てで請求書を発行しなければならない。
企業は取引の一環として暗号資産を購入するのではなく、「暗号資産を購入するための法定通貨をロスバンクの特別口座に預ける」ことになる。
そしてロスバンクは、B-Cryptoにこの資金を送金する。
その後B-Cryptoは、「友好国で暗号資産を購入し、海外のサプライヤーに送金」する。
このニュースを最初に報じたメディアVedemostiは、ロシアのトップ50の銀行にコメントを求めた。
しかし、同様のサービスを提供すると答えた銀行はなかったという。
●ロシアのクロスボーダー暗号資産取引計画、うまくいくのか?
ロシア銀行協会のアレクセイ・ヴォイルコフ副会長は、クロスボーダー暗号資産取引は主に「小規模な銀行」によって扱われると述べている。
ヴォイルコフ氏によると、「大口顧客の業務に必要な暗号資産の流動性が不足している」ため、大手銀行は同様の実証実験に着手することを躊躇しているという。
ある法律家も、ロスバンクの動きに疑問を呈した。
この法律家は、「多くの国が暗号資産取引を制裁対象に加えるための措置を講じている」と指摘した。
しかし、ロシアの有力政治家は、一部の国内企業がすでに暗号資産でビジネスを行っていることを認めている。
ロシア政府は、まだ正式にこれを承認していない。
暗号資産を活用した取引を非公開で承認しているか、この行為に目をつぶっているかのどちらかである。
暗号資産に懐疑的なロシア中央銀行は過去に、暗号資産は「国際間決済の解決策になることはない」と主張していた。
しかし、ロシア企業が外国パートナーと取引できるようにするためには、「あらゆることを実行しなければならない」とも述べている。
中銀はまた、国内の暗号資産マイナーがコインを海外で販売できるようにする実験プラットフォームを立ち上げたいと考えている。
約1年前、フランスの銀行パートナーであるソシエテ・ジェネラルは、ロスバンクの株式を売却し、ロシアから「撤退」すると発表した。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ