G7とG20がステーブルコイン規制めぐり意見対立、新興国は懸念示す

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 世界のリーダーたちは暗号資産(仮想通貨)分野の普遍的なルールの確立に向け取り組んでいるが、先進国と新興国の間ではステーブルコイン規制をめぐり意見が分かれている。

 世界の先進国7カ国が参加する国際フォーラムであるG7は、表向きにはステーブルコイン規制に対してより寛容である。

 一方、G20に参加している新興国は、金融政策と金融安定性への影響を懸念し、規制の強化あるいは禁止を求めている。

 G20とは、G7に加え新興国10カ国を含む13カ国からなる国際経済協力のフォーラムである。

 こうしたアプローチの違いは、統一的な監視を分断し、ステーブルコインに関する世界基準の受け入れを停滞させる可能性がある。

 G7とG20は、暗号資産に関する世界的に協調した基準の確立を主導している。

 日本とインドは現在、それぞれG7とG20の議長国を務めている。

 内容に違いはあるものの、この2つのフォーラムは、IMF(国際通貨基金)、FSB(金融安定理事会)、FATF(金融活動作業部会)といった国際基準の策定を担う機関に、暗号資産分野への勧告や規則策定を依頼している。

 両フォーラムともFATFのマネーロンダリング対策規定を暗号資産にも導入すると宣言しているが、最新の声明ではステーブルコイン規制に関して異なる見解を示している。

 G7は、ステーブルコインの利用が幅広い金融安定性に与える影響に焦点を当てたFSBのステーブルコインに関する勧告に従うと述べている。

 一方、G20は、IMFとFSBが9月から10月にかけて共同で作成する、ややニュアンスの異なる共同文書に従いたいと考えているようだ。

 G7はより厳しいルールを求め、23年に予定されている暗号資産およびステーブルコイン規制に関するFSBの個別勧告と、CBDC(中央銀行デジタル通貨)に関するIMFの勧告の実施に取り組むことを表明した。

 「私たちG7は、FSBの2つのハイレベルな勧告、暗号資産活動・市場に関するものと、ステーブルコインの取り決めに関するものの最終案に向けた動きを強く支持する」と金融庁の三好敏之審議官は述べた。

 一方、インドはG20の議長国としての議題決定権を活用し、IMFを参加させ、世界の暗号資産規制に関する議論を主導した。

 これは、暗号資産規則の策定において事実上のリーダーとされるFSBが、米国とより密接に協力していると考えられたためである。

●新興国、ステーブルコインの普及拡大に懸念

 新興国は、ステーブルコインが広く普及した場合、金融政策の有効性に影響を及ぼす可能性があることを懸念している。

 ステーブルコインが新興国で普及した場合、その国の金融政策の有効性が損なわれたり、キャピタルフローが不安定になる可能性がある。

 ステーブルコインが普及すれば、その国の徴税や歳入の有効性に影響を与える恐れもある。

 先進国と新興国の間の意見の相違は、ステーブルコインに関する国際基準の受け入れの妨げとなる可能性があるが、FSBの基準は各国のニーズに応じてある程度柔軟に対応できるようになっているという。

 三好審議官は、「G20経済圏のステーブルコインに対する懸念は、FSBが包括的なステーブルコイン規制を勧告することで緩和するかもしれない」と述べた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/g-7-and-g-20-countries-at-odds-over-stablecoin-regulation-amid-fears-for-emerging-economies.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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