米民主党議員ら、仮想通貨取引の租税回避防ぐ規則の発令求める

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●仮想通貨取引を追跡する規則求める

米民主党の下院議員らは5日、米財務省と米内国歳入庁(IRS)に対して書簡を提出。暗号資産(仮想通貨)取引に関する脱税を防ぐための報告規則を迅速に発令するよう求めた。

書簡は、ブラッド・シャーマン議員と、スティーブン・リンチ議員が連名で提出したものだ。仮想通貨業界は税金の抜け道になっていると主張している。

シャーマン議員らは、2020年に米国財務省の税務管理担当部局が、IRSが仮想通貨取引を追跡できるような報告システムがないと指摘していたことに言及した。

その後、2021年のインフラ法では取引をIRSに報告するため、ブローカーが顧客の取引を追跡することを求める規定が盛り込まれた。米財務省はこれについて2022年12月、同省が最終的な規則を発行するまでは、仮想通貨ブローカーは税務報告のために顧客の取引を追跡する必要はないとしている。

シャーマン議員らは、担当部署が今年2月に、取引追跡を定める規則のレビューを完了済だが、それ以来動きがないと指摘。早急に規則を公布することを求めた。

シャーマン議員は民主党内でも特に仮想通貨に対して批判的であり、過去にも規制強化を呼びかけてきた。

●仮想通貨規制の明確化図る法案も

一方で米議会では、仮想通貨に肯定的な議員による法案作成の動きもある。

共和党のシンシア・ルミス上院議員と民主党のカーステン・ギリブランド上院議員らは超党派で、イノベーションと規制を両立させるような、仮想通貨の包括的規制案を進めているところだ。

この法案「責任ある金融革新法(Responsible Financial Innovation Act:RFIA)」は、仮想通貨の証券性をめぐる定義や、トークン分類の明確化などを行い、規制上の不確実性を低減することでイノベーションを促進することを目指している。

その他に、規制機関の役割明確化、ステーブルコインの監視強化、仮想通貨課税の改正などの内容が盛り込まれている。昨年に、旧テラエコシステムの崩壊を招いたような、アルゴリズム型のステーブルコインは禁止する見込みだ。

米国では、共和党のパトリック・マクヘンリー議員らも、仮想通貨規制を明確化するための法案を構想中。2日には草案を公開し意見を募集している。

この草案は特に、ある仮想通貨が、証券とみなされる場合と、商品(コモディティ)とみなされる場合の定義を明確にしようとするものだ。

――30%のマイニング課税を阻止

ルミス議員は11日、共和党が、30%のデジタル資産マイニング税を阻止したことを報告している。

米ホワイトハウスは5月、仮想通貨マイニングが電力価格の上昇や、温室効果ガス排出量の増加の原因となるリスクを挙げて、仮想通貨マイニング企業に対して、マイニングに使用する電力コストの30%に相当する税金を課すべきだと提案していた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://coinpost.jp/?p=467030

CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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