カーブ・ユニスワップでテザー大量売り、他のステーブルコインへの移行を示唆

usdt_190186851_s.png

 ステーブルコインのテザー(USDT)は、2つの主要ステーブルコイン取引プールで大きな不均衡が生じた後、米ドルとのペッグを失った。

 オンチェーンデータによると、トレーダーは数百万ドル相当のテザーをユニスワップやカーブプールでUSDコイン(USDC)やダイ(DAI)などの他の人気ステーブルコインに交換している。

 15日、テザー・USDコイン・ダイで構成されるステーブルコインスワッピングプールであるカーブの3poolで、テザーの比率が70%以上に上昇。トレーダーが数千万のテザーをUSDコインやダイに交換したことを示唆している。

 3poolの理想的なバランスは、テザー・USDコイン・ダイという3つのステーブルコインがそれぞれ33.33%を維持することだ。

 しかし、この不均衡により、カーブの3poolでは、他のステーブルコインと比較してテザーの比率が大幅に大きくなっている。記事執筆時、3poolには3億ドル以上のテザーと、ダイとUSDコインがそれぞれ約5500万ドル保管されている。

●テザー、売り圧力の高まりでペッグ失う

 売り圧力の高まりにより、テザーは1ドルのペッグを失いつつある。

 コインゲッコーのデータによると、記事公開時、テザーは前日比0.4%安の1USDT=0.996788ドルで取引されている。

 テザーのパオロ・アルドイノCTO(最高技術責任者)は最近、「最近市場は不安定なので、攻撃者が大衆心理を利用するのは簡単だ」とツイートしている。

 「しかし、テザーはいつものように準備ができている。自由にさせよう。いくらでも換金する準備はできている」

 注目すべきは、カーブの3poolに不均衡が生じたのはこれが初めてではないということ。

 3月には、USDコインとダイの比率がそれぞれ45%以上に上昇し、プールのバランスが崩れた。

 22年11月に暗号資産取引所FTXが破たんした際にもバランスが崩れた。

 同年5月にテラエコシステムが崩壊し、テザーが不安定になり一時的にペッグを失った際も、同様の不均衡が確認された。

 歴史的に見ても、テザーをめぐっては多くの論争があり、1対1のペッグの性質を正当化するのに十分な準備金があるという主張と、その準備金を構成する資産の質に疑問を呈する声が多く挙がっている。

●テザー、失われた時価総額を回復

 テザーへの売り圧力は、その時価総額が832億ドルを超え、過去最高を記録した数日後に高まり始めた。

 テザーは、22年に競合ステーブルコイン・テラUSD(UST)が崩壊したことで失った200億ドルの市場価値を回復することに成功。

 テザーは失った市場価値をなんとか回復することができたが、他のステーブルコインはこれほどの成功を収めていない。

 例えば、コインゲッコーのデータによると、第2位のステーブルコインであるUSDコインの現在の時価総額は約290億ドルで、過去最高の560億ドル超という記録をはるかに下回っている。

 グラスノードのデータによると、テザーの市場シェアは現在65%以上。USDコイン、バイナンスUSD(BUSD)、ダイ(DAI)などその他主要ステーブルコインの市場シェアは、それぞれ約24%、5%、4%となっている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/tether-loses-peg-massive-usdt-sell-off-on-curve-uniswap-suggests-shift-to-other-stablecoins.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ