フランスの市場規制機関、グローバルなDeFi規制を支持

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 フランスの市場規制機関であるAMF(金融市場庁)は、DeFi(分散型金融)分野における世界的に連携した透明性の高い規制を全面的に支持すると表明した。

 その目的は、ユーザーを保護し、新しく革新的なセクターの成長を促進することであるという。

 AMFは19日、DeFiに関する論文を発表。DeFiの構成要素の定義、これまでに観察された傾向、エコシステムの概要に言及し、DeFiに関する見解を共有しようとしている。

 AMFは、分散型取引プロトコルやガバナンスに関連するメカニズムなどの領域をより深く掘り下げている。

 またこの論文は、規制的な観点から有用な論点を提起することも目的としている。

 したがって、論文で示された見解は、エコシステムの利害関係者との議論を促し、「長期的にDeFiの健全な発展を支援する」バランスのとれた規制枠組みの設定と構築を目指すものであるとAMFは説明している。

 フランスのACPR(健全性監督破綻処理機構)はすでに、DeFi規制に関する提案を作成し、提出しているという。

 そして、これは国家レベルにとどまるものではないとAMFは主張し、次のように述べた。

 「DeFi活動は国境を越えて行われるため、AMFは投資家保護とイノベーションの促進の両方を目指した、世界的に公平な競争の場を確立するため、世界が連携する規制アプローチの実施を支持する」

 欧州委員会は、まもなく待望のMiCA(暗号資産市場規制)をEU(欧州連合)レベルで施行する。DeFi関連の動きを評価し、この分野に対する規制の必要性を判断することが求められることになる。

 さらに、IOSCO49やFSB50といった国際的組織の取り組みにより、DeFi規制について、各地域に対するガイダンスや勧告がより明確になっていくだろう。

 AMFは、今後数年はDeFi分野にとって「重要な時期」となる可能性があり、次の2つの重要な課題に直面すると述べている。

・エコシステムを成長させ、イノベーションを促進するために、透明性で安全な方法を見出すこと
・適切なレベルの投資家保護を提供すること

●DeFi、混乱と無縁ではない

 AMFは、ブロックチェーンが「革新的で混乱を起こすメカニズム」をもたらし、「デジタル経済が基盤としている技術的インフラに挑戦している」と指摘している。

 ブロックチェーンの使用を基盤としているDeFiは、「このような混乱と無縁ではない」とした。

 しかし、従来の金融サービスに対するDeFiの斬新なアプローチは、技術革新の機会を提供する一方で、リスクや課題にもつながると警告している。

 これは、22年5月のテラ(LUNAI)プロトコルの暴落時にはっきりと示されたとAMFは指摘。

 テラの劇的な暴落は、このようなプロトコルの運用に明確さが欠如していることを露呈し、明確な枠組みの必要性をさらに強調したという。

 この枠組みには、「エコシステムとそれがもたらす革新への信頼を高めるための」より良い情報共有とユーザー保護を可能にするセーフガードが必要だとした。

 AMFは、次のように論じている。

 「DeFiははだ初期段階にあるが、1つのセクターとして急速に発展しているため、DeFiの活動やガバナンスモデルが示すイノベーションへのメリットを考慮しつつ、一方で参加者にもたらすリスクも考慮し、斬新的かつ適切な方法で規制を検討するべきである」

 AMFは、この論文で示された見解は公式見解でないとしており、9月30日まで回答者の意見を受け付けると述べている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/global-crypto-regulations-for-defi-backed-by-frances-markets-regulator.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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